2015年11月27日(金) |
香山リカ『スピリチュアルにハマる人、ハマらない人』★★★☆☆ |
香山リカ『スピリチュアルにハマる人、ハマらない人』
イマドキのスピリチュアルの現状について論じた一冊。
メモ。
「現代のスピリチュアルの祈りの文句は、『世界やすべての人類が幸せになりますように』ではなくて、『私がより快適に暮らせますように』なのではないだろうか。」(p73)
「実際、彼女たちが求めているのは、積極的な自信の持ち方といったスキルを身につけることですらない。内向きに構成された問いが最後に求めるのは、『そのままのあなたでいい』『自分の中にいる本当の自分を愛そう』といった受容や慰撫のことばなのだ。」(p110)
「『問題は社会にある』と話を広げられてもピンとこない人が、逆に『問題は生まれる前の霊的世界にある』というレベルまで話を広げると、ストンと腑に落ちる。」(p116)
だから大丈夫ですよ、そのままでいいんですよ、と超越的立場から微笑みかけてくれる江原氏が人気を得ているのではないかと著者はいう。
小泉首相の言っていることではなくてその態度に好感を得た多くの人々。 それと同様に、カウンセラーに対してもわかりやすさを求める、と。
「『だましてほしい』とまでは言わないが、とにかく明るい気持ちにしてもらいたい。希望や感動を与えてもらいたい。私だけそういう『気分』になれれば、他の人のことまではしらない。そしてそうしてくれるなら、その内容や真偽のほどは問わないことにしよう・・・。」(p169)
それほどまでに、日常的な希望や感動に飢えているということ。
内向き志向が蔓延する中、自分がどうありたいのかあるつもりなのか。 結局は自己責任。
感想。確かに「英霊が喜ぶか」なんてのは、スピリチュアルだ。
香山リカ『スピリチュアルにハマる人、ハマらない人』
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