| 2006年07月03日(月) |
八尾 恵『謝罪します』★☆☆☆☆ |
 『謝罪します』 八尾 恵 文藝春秋 (2002/06)
マインドコントロールってほんとにあるのかな?
という疑問がわいてきた。この本を読んで。
北朝鮮の革命村で暮らす彼女の娘たちはそうかもしれないけれど(それも生まれてから教育されてきたのだからマインドコントロールとは違うと思うしなぁ)、彼女自身は違うんじゃないか。 マインドコントロールされていた、ということによって自身の選択の責任から逃れたいと思っているように感じた。
酔ってたんじゃないか。 崇高な使命のため、任務を遂行する自分に。
そして未来ある一人の女性を北朝鮮に送り込み、人生を狂わせた。
その反省と謝罪と、自身の半生と二人の娘への愛情の記録。 ということなのですが…。
よど号事件犯人グループの妻となった、おてんば娘。 留学のはずが、強制的に結婚させられ、夫(よど号事件当時高校生)のDVにさらされながら、家事育児学習、そして海外での任務(夫の慰安婦役含む)。
金日成主義に傾倒し、嘘をつくことも何ら抵抗がなかった(有本恵子さんの拉致すらよかれと思っていた)彼女が、逮捕後の支援者との交流の中で変化していく。 訪れる、気づき。反省。悔悟。 事実をありのまま伝えることが現状を変え、拉致被害者を取り戻す手段になると書き始めた手記。
意気込みはわかるのだけど…
この人がこう言って、その時のメニューはこれで、私はこう言って、こんなことがあって、そうしたらその人はこう言って…
って起きたこと羅列するだけの小学生の遠足の感想みたいなのが続くのはつらかったです。 そういう下世話な話ではなく(たしかに事実でそこにいた彼女にしか書けない話ではあるけれど)もっと、彼女自身の内面に起きた揺らぎや疑問、革命村やヨーロッパや日本国内で、彼女自身が感じたこと考えたことを書いてほしかった。
そういう「揺らぎ」のようなものをなくすのが「マインドコントロール」なのかもしれないけれど、私は「主体性の放棄」じゃないかと思う。 それが「マインドコントロール」の目的だと言われてしまうとそうかとも思うけど。
ちょっとググったら、著者が願っていた娘二人の帰国、できたんですね。 娘たちの思想は今どうなっているのか知りたい気分だけど、今後の人生、幸多かれと思います。 選択の自由のある国は、私は好きだよ。
どうでもいいが、よど号事件のリーダーと大学が一緒だったのがちとショック…。
拉致問題の解決。 一日でも早く。 国民を守る当たり前の国であるために、行動を起こせよ政府。 放置は犯罪の助長。
『謝罪します』
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