こころの大地に種をまこう 春名尚子の言霊日記

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2002年05月01日(水)  ◆ 涙の理由 ◆

 先日、東京でお寺に行って来た。
  友達Kくんの友達のお母さんがやっているお寺をわけあって尋ねた。


 もうずいぶん前のこと、Kくんがすばらしい人がいると言う。

「日蓮宗の方なんですけど、僕の友達のお母さんで・・・」


  ・・・日蓮?。日蓮正宗?。創価学会?・・・・。

  私の固まった姿を見てなのかなあ。

 「あの、日蓮宗です。正宗じゃなくて。」と、Kくん。

 「ああ。宗ね・・・。」

  と、その時はそこまでだったんだけど、今回の出張でお会い出来ることに
なった。



 同行者が住職さんと話しをするために、奥の部屋に入っていった。

 私は、手前の部屋の仏壇の日蓮さまをのぞき見て、ため息をついた。

 息子のあるくは、ちょっと離れたところで本を読んでいた。



 頭が痛い。重い。ガンガンする。

 肩が異常なほどに重く痛く、かちかちにこっている。

 タクシーに乗ったときから、ずっとだ。



 なんで身体がしんどいのか、なんとなくわかっている。

 すべてはこころのことだ。

 私は、過去を清算すると、決心をした。

 決めたら、やり通す、融通の利かないスパルタ人間だから、

 めちゃくちゃ単純に、自分を理解できている。 

 解決すべきこと、逃げてはならない問題を、目の前に突きつけられているんだ。


 すべてはこころの問題で、それが体に表されている。
 

 わかってはいるのよ。頭では。

 日蓮さまが悪いんじゃないってことくらいは・・・。

 けれど、日蓮様の奉られているその部屋に入って、私はため息をついてしまった。




 日蓮さまに手を合わせた。


 私の大事なすべての人を守って下さい。
 すべての人を良い方向に導いて下さい。

 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経・・・・・・。



 私が日蓮さまを見てため息をついた理由。それは、私の癒せない過去のこと。

 うちの母親は創価学会員だ。日蓮正宗の熱心な信者だ。兄も信仰していた。

 私も、小さいときから会合に出たり、朝晩の経文を唱えさせられていた。


 母様は「信仰すれば魂がきれいになって幸せになれるのよ」といっていた。

 でも、創価学会員の兄ちゃんは、日蓮様に信仰している兄ちゃんは、

 気が狂いそうになるほど私を虐待し続けた。

 こころの病気になるほどに、私を殴り、蹴り続けた。

 そんな兄妹を、創価学会員の母は黙って見ていた。

 顔のあっちこっちを腫らしたり、派手なアザで身体をカラフルに染めている

 そんな小さな私を、近所の創価学会員の人はだれも助けてくれなかったの。



 毎日、無理矢理仏壇の前に座らされた。

 ポロポロポロポロ・・・・・・・。

 お経を唱えはじめると、自分の感情とはまったく関係なく涙があふれていた。

 毎日、ぽろぽろ。泣きながら、マントラを唱えていた・・・。



   なんで、あんたは私を助けてくれないの?。


 そんな風に恨み言を言っていたときもあった。



 日蓮様を目前にして、そういういろんなことが甦ってきて、涙が出た。

 あの頃、私は感情を殺して生きていた。

 すべての感覚を鈍くさせなければ、兄を殺すか、母を殺すか、

 自分を殺すしかなくなっていただろうから。



 だから、私は私のこころを殺して生きていた。


 今回、日蓮様を見てね、ふとおもったんだ。

 あの時の涙は、私の殺したこころを助けるための涙だったのかなあ。



  理由なく流れ落ちる涙。


 それは、私のこころを軽くするための浄化剤だったのかも知れない。


 今も、南無妙法蓮華経と唱えると、涙があふれてくる。


 私の中には、子供の頃の、まだ私の心の中でうずくまって

 小さくなっておびえきって泣いている私がいる。


 解決できない過去の痛みに苦しんで背中を丸めて震えている子供がいる。


 その子を、早く助けたい・・・。


 オーラソーマをはじめたのも、自分を癒すためだ。

 ニューエイジといわれるものに、どうも???と感じる私。

 私はヒーラーの手を借りるのではなく、自分自身を自分で浄化したい。



 感情の起伏が激しくなって、子供の頃を鮮明に思い出すようになったのは、

 やっと自分にその準備が出来たからなんだろう。



 あの頃と共通する涙を流しながら、ふと思った。

 あの子も、時空を超えて、あの家で、今こうしている。

 このマントラを通じて、あの日の私をつながることが出来る?。



 痛む頭を抱えながら、小さい頃の私のために、今の私のために、

 経を唱えながら、涙を流した。

 
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 今、私とおなじような苦しみにいるすべての小さな子供を、
 どうしたら救い出すことが出来るんだろう。

 みんなが幸せになってほしい。
 ひとりの親の幸せ、ひとりの兄姉の幸せ、ひとりの教師の幸せ、
 ひとりの権力者の幸せ、ひとりの苦しみにこころ奪われている人の幸せ、

 きっとみんな、自分が苦しいから、人にも厳しくあたるんだよね。

 ひとりひとりが幸せに笑ってほしい。

 そうすれば、いつか、暴力のクサリを断ち切ることが出来るから。

 私は、私で断ち切るよ。あなたも、そうしてほしい。

 こころから願います。祈ります。まずはあなたが、幸せになってください。


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