与太郎文庫
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2007年05月23日(水)  念金詐欺 〜 一億の耳を疑う話 〜

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20070523
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/list?id=87518&pg=000000
http://www.enpitu.ne.jp/tool/edit.html
 
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=20070523
 Ex libris Web Library;
 
http://www.hatena.ne.jp/adlib/activities (20090408 以降)
http://booklog.jp/users/awalibrary
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/
 
── “念金浄化”と呼ばれる儀式で現金をだまし取られたとして、都
内在住の主婦(49)が「霊示気学二穣会」の二穣師女(にじょう・しめ)
こと平林重美子代表(71)と女優の佐久間良子さん(62)らを相手取り、
約1億4700万円の損害賠償を求めていた訴訟の控訴審判決であり、
東京高裁は一審判決を支持し、両者の訴えを棄却した。(20010829)
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/saikinnhannketu5.htm
 
 冗談みたいな事件だと思っていたら、日本の年金制度も、同じように
けむりのように消えかかっている。
 5000万円なら驚かないが、5000万件超とは聞捨てならない。
 
 本人確認できないものを「申し出があれば記録の確認はする」などと
血迷ったことを云っている。
 社保庁も厚労相も首相も官房長官も、立って答えるのが精一杯だ。
 
>>
 
── 社保庁の年金記録漏れ、本人に注意喚起・厚労相検討
 
 柳沢伯夫厚生労働相は23日午前の衆院予算委員会で、社会保険庁が管
理する年金保険料の納付記録の中に本人確認できないものが5000万件超
ある問題を巡り、納付記録に漏れがないかを注意喚起するための通知を
検討する考えを示した。民主党の長妻昭氏が政府の対応をただしたのに
答えた。社保庁はこれまで「申し出があれば記録の確認はする」として
きた。
 
 安倍晋三首相も「国民に不安を与えてはならない。そのための工夫を
考えながら厚労省にも一層努力させたい」と強調。塩崎恭久官房長官は
同日午前の記者会見で、年金の納付記録漏れへの救済策について「厚労
省で実態を調べながら時効制度と年金にかかわる権利にどのように対応
すべきか検討している」と語った。
 
 社保庁はまず6月ごろに送る年金額を通知する書類に注意書きをし、
自分の年金受給額が正しいか気になる場合は社会保険事務所の窓口で確
認を求めるよう呼び掛ける方針だ。 (14:03)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070523AT3S2300F23052007.html
 
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 カサバランカ 〜 わけあり女の催促 〜
 
 長年かよった安酒場のツケは、実のところ客にも女将にも、いくらか
分らない。ポケットから、皺だらけの万札を出して「これ払っとくぜ」
というくらいで、たがいにヤリクリしているだけだ。
 
「ねぇ多羅尾さん、そろそろ払ってよ」
「こないだ払ったじゃないか?」
「なに云ってるのさ、あれは去年の暮れだってばさ」
 
「そうか、それじゃ次のボーナスで、いくらか面倒みるよ」
「いくら払ってくれるのさ、こっちにも予定があるんよ」
「おいらにも予定があるんだ。いい子だから、だまって待つんだな」
 
 とまぁ、こういう調子で、なんとか治まるうちはよい。
 しかし、女だてらに店一軒きりもりするには、いわくがあるからだ。
 ながくやってれば、ちょいとした事情も湧いてくる。
 
「ねぇ多羅尾さん、話があるのよ」
「なんだい、女房と別れてくれってぇのかい?」
「ばっかばかしい、そんなんじゃないわよ」
 
「それじゃ、金のことだな」
「そうなの、そろそろ汐時だから、店を閉めようと思うのよ」
「なんだ、男ができたのか」
 
「ばっかばかしい、店を閉めて田舎に帰るんだよ」
「なんで?」
「おっ母さんも年とったし、こうもしておれないのよ」
 
「なんだ、もうそんな年だったのか」
「それがどうしたのさ、店を閉めるから、勘定はらってよ」
「えっ? おれと縁を切ろうってのか」
 
「なに驚いてるのさ、あんたなんか、ただの客じゃないか」
「それにしちゃぁ、なげぇ仲だったじゃないか」
「だから、すっぱり今までのツケを清算したいのさ」
 
「ぎょっとするじゃねぇか、いきなり。もうすこし考えちゃぁどうだ」
「ずいぶん考えたあげくなのさ」
「そうか、おれも男だ、すっぱり払ってやらんでもないが……」
 
 とまぁ、こういう調子で、具体的な金額が出てこないのである。
「そいで、いくら残ってるんだ?」
「そうさね、カタテくらいでいいわよ」
 
「まさか、お前ぇ、おいらと手を切りたいんじゃねぇか」
「ほらほら、またそんなこと云って、はぐらかすんじゃないよ」
「じゃ、カタテって、いくらだ?」
 
「あきれた男だね、あんたに500万もあるわけないじゃん」
「じゃ、50万だな。ようし、とっくり考えてくらぁ」
「考えるほどの金高じゃないと思うけど」
 
 ◆
 
 丸善の閉店 〜 縁の切れ目 〜
 
 むかし、洋書を売るには苦労づくめだった。
 いちばん読みたいはずの学生も、せっかくの仕送りも酒や女に流れ、
本代に残らない。ツケにすると古本屋に持っていかれる。
 
 そこで、新婚まもない教授をさがして、せっせと押しこむ。
「そんなに持ってこられても払えないよ」
「いいえ先生、あたしどもは先生からお金を取りたいわけじゃない」
 
「しっかり勉強していただくために、ご用立てしてるんですよ」
 帰りがけに、新妻に言い残す。
「先生は将来有望ですからね、勘定なんざ、ご心配なく。へっへっへ」
 
「ねぇあなた、また本屋が置いていったんですか?」
「そうなんだ。勘定など、いつでもいいって云うからさ」
「わかりました、里の母にお願いするわ。あなたは学問に励んでね」
 
「義理の母が、金をくれたから、払ってしまうよ。いくらだい」
「先生、そんな水くさいってもんですよ。へっへっへ」
「ぜんぶ払うから、しばらく来なくていいよ」
 
「なんて、ほかの本屋を出入りさせるおつもりですかい。ようがすよ、
そんな手には乗りませんよ、ご縁が切れないように、せめて端数だけは
残しておいてくださいよ」
 
(つづく)
 
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http://q.hatena.ne.jp/1179945625
http://q.hatena.ne.jp/1182840724/100413/#i100413
 
(20070524-20120630)
 


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