与太郎文庫
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2003年10月08日(水)  俗物街道 〜 おいどんは、ドンでごわす 〜

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20031008
 
 国土交通大臣室でのやりとり(時代劇ふうに架空再現)
 
大臣「そのほう、名を名乗れ」
総裁「フジイ・ハルホでございます」
大臣「治芳=ハルヨシ、ではないのか」
総裁「生来、ハルホと読みまする」
大臣「音読すれば、チホウではないか。わたしに納得できないことは、
  国民にも理解できぬ」
総裁「わたくしめがいちばん、この名を存じておりますからして」
大臣「納得できない。公団全職員、民間の専門家、扇千景前国交相らの
  名誉のためにも到底了承できない」
総裁「お言葉ではございますが、誰がなんといっても、ハルホと読む」
大臣「えーい無礼者。そこへ直れ、切腹を申しつける」
 
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 藤井総裁聴取5時間 辞任要求に抵抗、改革難航を象徴
 2003年10月06日(月) 産経新聞
「理由を教えてもらわないと…」
 
 石原伸晃国土交通相が五日、藤井治芳日本道路公団(JH)総裁の更
迭を決断したことで、道路公団改革のネックの一つだった「藤井問題」
はようやく解決に向かった。ただ、藤井氏が石原氏の辞任要求に抵抗し
たため、両氏の会談が約五時間にも及ぶなど、「藤井問題」の決着は最
終局面まで難航。今後の道路公団改革では国交省や自民党などの抵抗も
予想されており、一連の更迭劇は改革の困難な行方を予想させるものと
もなった。
 
 石原氏「私が抱いてきた疑問に対し、あなたの説明では、なるほどと
いうことはできない。首相からも言われているのだが、あなたの進退問
題をどう考えるか」
 
 藤井氏「私はもともと薩摩の人間だ。西郷隆盛ではないが、自分の地
位に恋々とするタイプではない」(脚注)
 
 五日午前の国土交通省大臣室。国交省側の石原氏と官房長、秘書官ら
が待ち構える席に藤井氏は一人で乗り込んできた。午前十一時に始まっ
た両氏の会談は、お茶が二杯出ただけで、昼食も取らず、トイレにも立
たずで五時間近くに及んだ。
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 かつて石原伸晃は「北海道の道路は、人よりクマが多い」とジョーク
のつもりで演説して、地元出身の鈴木宗男を怒らせた。
 だが、このとき本当に怒ったのは“道路のドン”こと道路公団総裁・
藤井治芳だったにちがいない。
 
 いったん天下った者を、他の者がクビにするのは、意外にむずかしい。
 解任ではなく、辞意をもとめるのだから、本人が納得しなければ更迭
は成立しない。最後に「解雇権の乱用」とか行政訴訟になれば、新大臣
のメンツが丸つぶれである。
 藤井総裁は(何ぞたくらみがあるのか)時をかせいでいる。
 やり残したことがあるとすれば、証拠隠滅のためではないか。
 
 クビにするほうより、クビになるほうが真剣なのは当然である。衆目
の一致するところ、クビが免れないならば、いかにメンツを保つか。
 マスコミや評論家は「しぶとい」とか、ありあわせの論評をしたが、
猪瀬直樹まで「まるで納豆みたいだ」などと、舌鋒さえない。
(彼が新大臣になった可能性もあり、これこそ初仕事だったはずだ)
 田中真紀子の再出馬についても、マスコミの予想は的中しなかった。
 当人は(覚悟をきめて)存分に熟慮したにちがいない。
 いつも予想できない、なにも論評しない、だれも考えない。
 
 そもそも石原家の“ボクちゃん”は、前大臣・扇千景との引きつぎで、
「中学生のころ朝ごはんを御馳走になった」などと、いかにも無邪気で
幼稚だった。
 テレビを観た悪役は「なんだ、この若造め」と思ったにちがいない。
 こんなことになるなら、前大臣が(女剣戟よろしく、最後に悪役を)
バッサリと斬りすててから退場すべきだったのだ。ところが、なにやら
渡世の義理があって、何も知らぬ“ボクちゃん”に引きつがれたらしい。
 
 昔々の噺だが、内田百里「一日駅長」をたのまれ、かく訓示した。
「わたしの命令にそむいた者は、翌日馘首する」
(この駅長は、明日には居なくなるから、だれもクビにならない)
 
 藤井総裁は、石原大臣に恥をかかせることができる。
 最後に「どうか、お辞めいただきたい」と懇願させることもできる。
それでも承知しなければ、小泉総理が出てきて「望みを申せ」と取引を
ほのめかす。そこで「大臣が、せめて大物ならば」とダダをこねると、
中曽根(最高顧問)あたりが「一日大臣」となって、めでたく手打ちに
するのはどうか。
 つまり、総裁をクビにする前に、大臣がクビになるわけで、これでは
“ボクちゃん”の政治生命も終ってしまう。
 
 松本清張は、しばしば疑惑のかげに“課長級官僚”の自殺を指摘する。
政治家の場合はもっぱら“私設秘書”であり、企業犯罪では“重役級”
が首を吊ると、ほどなく捜査がおわる。
 ゆゆしきことだが、この関連を一覧表にして、公開検証すべきである。
(ほとんどの自殺者は遺書を残すが、ほんとうに一人で決断したのか)
 だれかが死んで、トクをするのはだれか?
 
 日本道路公団の改革は、工事代金を節約するばかりが目的ではない。
 土建立国の労働市場を縮小するものである。
 ずばり云えば、高校に入れなかった少年を、無条件で吸収できたのは
土木業界だけである。かつての農業と兵役にかわるもので、パソコンや
IT産業は、むしろ彼らの職場を奪っていく。
 前総務大臣・片山虎之助のように、みずからパソコンに向わない人が、
あたかも情報社会を「この世からあの世へ」みたいに一方的に称賛する
のは不見識である。
 だが、もっと危険なのは、パソコンを思想の中核にすえた人たちが、
ことごとく勝者となり、あらたな支配階級となることかもしれない。
 
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 藤井総裁の発言「私はもともと薩摩の人間(読売人名録では宮崎出身)
だ。西郷隆盛ではないが、地位に恋々としない」
 一部テレビ局が「連綿のつもりか?」と揶揄したが、下記に用例あり。
── れんれん【恋恋】〔タル〕^枩を恋い慕い思い切れないようす。
∋廚だ擇蠅琉いようす「地位に−−とする」
        ──《新世紀百科辞典 19781005 学習研究社》P2142

	
 西郷 隆盛    元陸軍元帥 18280123 鹿児島  18770924 51 切腹/文政101207
 内田 百    小説/随筆 18890529 岡山 東京 19710420 81 号=百鬼園
 松本 清張       作家 19091221 福岡 東京 19920804 82 〜《日本の黒い霧》
 ラストヴォロフ 駐日外交官 1909・・ Soviet  19540124 44 失踪
 日暮 信則   外務省事務官 1910・・ 東京   19540828 44 飛降自殺/取調中
 中曽根 康弘   首相 71-73 19180527 群馬  /衆議院議員/自民党比例区
♀扇  千景  前国土交通大臣 19330510 神戸  /参議院議員/保守党比例区
 片山 虎之助   前総務大臣 19350802 岡山  /参議院議員/自民党
 藤井 治芳  元建設事務次官 19361001 宮崎  /20000531日本道路公団総裁就任
 小泉 純一郎   首相 87  19420108 神奈川 /20010424自民党総裁/党人三世
♀田中 真紀子  元衆議院議員 19430114 東京  /元外務大臣/自民党
 猪瀬 直樹 ノンフィクション 19461120 長野  /20020621道路公団分割民営化委員
 鈴木 宗男    衆議院議員 19480131 北海道 /20020619逮捕20030829保釈
 石原 伸晃   国土交通大臣 19570419 東京  /衆議院議員/自民党


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