与太郎文庫
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2003年09月23日(火)  誕生月の季節

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20030923
 
── (アウグストゥスの)いくつかの病気は毎年きまった時期にくり
かえし患った。誕生日のころになると、いつも体の具合がわるくなった
し、春の始めには鼓腸で、南の烈風の吹く頃には鼻炎で悩まされた。
                      ── スエトニウス/
国原 吉之助・訳《ローマ皇帝伝(上)19860905 岩波文庫》P178
 
 Let'19870923-1019
 
 数年前の《週刊現代0714号》で「生れ月によるかかりやすい病気」の
記事を拝見し、たいへん興味を抱きました。
 出生の季節によって、体質や気質に共通点があるのではないか、とい
う疑問は、古来多くの人が関心を寄せています。約十年前ふとしたこと
から生没年月日を収集しはじめ、当初は占いや迷信に代る新らしい発見
がないものか、と期待したのですが、今までのところ成果はありません。
その後、毎日の死亡記事を整理していますが、さまざまな病因がある
ことに感慨を禁じ得ません。
 遺伝や寿命についても、非科学的な意見を述べる人たちが多く、おお
らかに死を迎えることは、まだまだ難しいようです。
先生の御研究が、どんな動機で始められたのか、その成果についても、
ぜひ知りたく、次号《Who's Who Monthly》に紹介したいと存じます。
 末筆ながら、先生のお誕生月日もお知らせください。

>>
 日本脳炎の患者では生まれ月に偏りのあることに気がついた。これは、
このウイルスが夏にだけ流行して、胎児にも感染することから、生まれ
る頃に感染したか否かがその原因であろうと考えた。それならば、逆に
生まれ月に偏りのある病気は季節的に流行するウイルスの様な病原体に
よるものと考えられるかもしれない。そのような例として、先ずあげら
れたのが精神分裂病であった。その他、てんかん、乳がん、虫歯、パー
キンソン病、等の罹患率では明らかに生まれ月の影響が認められること
が分った。
 病気だけではなく、母の生まれ月はその子供の生まれる季節や、双子
の生まれる率にも影響があり、身長や体重、血圧、初潮の初来のような
生理的の現象にも生まれ月が関係するなど多くの面に生まれ月が係わっ
ていることが分ってきた。
 人の体質は、遺伝と環境とで決められている。環境の影響に一番敏感
なのは、胎児の時なのであろう。胎児の環境は母の体内で、一定に保た
れているように思われるが、それでも季節ごとに自然に流行している多
くのウイルスや植物の花紛、食べ物に含まれるビタミンやミネラル、な
ど色々のものが季節的に変化しているので、それらが母の体を通じて胎
児の発育にもさまざまに影響していることが考えられる。
 生まれ月による変化の原因として、遠くの星の影響も無視するわけに
はいかないのかも知れないが、今の所私は地上のウイルス等の方が重大
だと思っている。それに、もしあるウイルスの為と分れば、将来はその
ウイルスをとりだし、ワクチンを作り予防の方法を発見することも可能
になるからである。
 老化や寿命の長さにも、生まれ月の影響が見られることは、人口老化
の対策としても生まれ月の面からの研究が役に立つのではないかと思わ
れる。今まで、生まれ月は 星占い" のお遊びとされていた為に、真面"
目な研究者が関心を持ってはいけないものとされていた。これからは、
胎児期環境の問題として新しく大きく発展する科学の一分野となること
を期待したい。
―― 三浦 悌二《生まれ月の科学 19831119 篠原出版》P000

 <19210920 生まれ> 帝京大学医学部衛生学教室 三浦 悌二
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