与太郎文庫
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2003年09月05日(金)  ノン・ヴィヴラート

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20030905
 
 演奏会直前リハーサル日記 〜 CGIBOY日記帳 version1.08 〜
http://diary.cgiboy.com/century/index.cgi?y=2003&m=9
 
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#87シンフォニー定期 練習初日 20030902  H.C
 
 今日は記念すべき金聖響・専任指揮者就任披露公演の練習の初日です。
 今回のプログラムはベートーヴェンの序曲「コリオラン」、交響曲の
第1番と第3番「英雄」といった堂々たるものです。
 金さんの軽快なタクトにより、リハーサルは第3番→第1番→コリオ
ランの順に行われました。どの曲も非常に小気味よいテンポで、ノン・
ヴィヴラート気味の響きを大切にした音楽を、細かく丁寧にこだわって
練習が行われました。
 既存の重い鎧を脱ぎ払った、シンプルなしかも生き生きと活気に溢れ
たベートーヴェンの音楽、そんな方向へ導いてくれているように思えま
した。本番で、とても楽しんで演奏できることを予感させてくれる、そ
んな本日の練習でした。o(^-^)o
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#87シンフォニー定期 練習2日目 20030903 Tom.
 
 あ〜、良かった。今日も阪神が勝って・・・。
 何故か?我等が専任指揮者、金 聖響さんは大の阪神ファン。
 彼のイメージでは、この後も阪神は連勝し、マジック対象チームが連
敗して、7日に胴上げ!というストーリーが出来上がっているそうです。
しかもその胴上げをライヴで観る、という大イベント付き!! ・・・
らしいですよ。以前はよく黄色と黒をバランスよく着こなして決めてら
したのに、このところ渋めの色合いが多かったので、もしや心境の変化
でも・・・と思ったのですが・・・。
 江夏・村山以来の静かな阪神ファンの私は、変わらぬ熱狂振りを微笑
ましく伺いました。きっとはやる気持をセーブしてらっしゃるのだろう
と思います。今回のプログラムに対しても、私達を信頼して下さってか
言葉をセーブして、私達の自発的な歌を引き出そうとしてらっしゃる様
に感じます。
 まず初めに彼の頭の中にある音楽のイメージを全身で表現されて、そ
れに操られていつの間にか積極的になっていくという感じです。
 今日2日目は、中途の楽章、真ん中あたりから作っていくという面白
いアプローチをされましたが、そうして曲の冒頭に戻った時、新鮮なこ
なれかたをしているな、と感じたのは私だけでしょうか。
 明日、最終日にはどういう風に更にクリアになっていくのか、とても
楽しみなリハーサルです。
 そういえば、マジック対象チームの勝敗はどうだったのかしら・・・。
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 #87シンフォニー定期 最終日 20030904 大中 一已
 
 専任指揮者就任披露演奏会の定期に向けての練習が3日目になります
が、金 聖響さんのパワーは全開。練習に入るやいなや、今日のリハー
サルは本番と同じテンションで気を入れて練習しましょうと最初に一言
!!
 まずコリオラン序曲から練習に入りましたが、若さ溢れるタクトでオ
ーケストラのメンバーを引きつけ、息つく間がないぐらいに緊張した雰
囲気の中のリハーサルでした。
 特に弦楽器の長くのばす音は、ノンビブラートで演奏し、かつ緊張感
を持ちながらテンションが下がらないように要求されて演奏しています
が、明日のシンフォニーホールでどれだけ演奏効果が出るか楽しみです。
私個人では最近トムコープマン指揮のアムステルダムバロックオーケス
トラの演奏をよく聴いているんですが、音の出だしの切れの良さ、ノン
ビブラート奏法の緊張感、アンサンブルの歯切れの良さとかを堪能して
います。ある意味、金さんもこれを目指しているのかな?と思いながら
練習していました。
 次にベートーベンのシンフォニー1番の練習になりましたが、演奏会
本番と同じように全曲を通しての練習でした。1日目、2日目に練習し
てきたものがどれだけ出せるか、また音楽的にどれだけこなされている
かを金さんは見ていらっしゃったのかなと思います。
 最後にシンフォニー3番の4楽章を練習してから全曲を通しましたが、
音楽的に金さんの思いと、楽員の感じているものにずれのある箇所があ
り、バトル?、いや対話があり時間が少し滞りましたが、やはり指揮者
と演奏者の立場の違いで思いの持ち方が違うんだなと感じました。
 ここは金さんの音楽の持って行き方に合わすことになり一件落着しま
した。
 今日一番思ったことは、まず音楽を最重視しアンサンブルを完璧にす
るか、アンサンブルを完璧にしてから音楽を作るのかの違いがあるんだ
な?とつくづく思いました。
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 大阪センチュリー交響楽団第87回定期演奏会    出谷 啓
 
 大阪生まれのアメリカ育ち、若手指揮者の金聖響が、大阪センチュリ
ー響の専任指揮者に就任した。今回の定期演奏会は、その就任披露コン
サートになった。そして当のデビュー・コンサートに、オール・ベート
ーヴェン・プロを選ぶなど、怖いもの知らずの若さの特権というべきか。
曲目は「コリオラン」序曲、交響曲第1番、それに交響曲第3番「英雄」
という、重量感のあるプログラムである。
 金のアプローチは「ピリオド奏法」、つまりオリジナル楽器の演奏ス
タイルを採り入れ、楽器そのものは普通のモダン楽器だが、弦楽器は基
本的にヴィヴラートを用いない、ノン・ヴィヴラート奏法だし、ティン
パニもペダルのない小型のバロック・ティンパニが採用されていた。演
奏は極めて充実したもので、オリジナル楽器の奏法を意識する以前に、
音楽として実に感銘深いものが感じられた。決然とした自信に満ちたフ
レージングと、整然としたアンサンブルの良さは、それだけでもベート
ーヴェンを聴いたという実感につながる。最初の「コリオラン」から、
大阪センチュリーが緻密な合奏で応え、全体のプロポーションのハイラ
イトを聴かせた。またノン・ヴィヴラートのストリングスが、まるで一
本の線のようにピタッと合っていたのは、指揮者の金のドリルの賜物と
みた。ここまでオーケストラを本気にさせる指揮者というのは、やはり
凄いと思う。勿論管楽器のソロイスティックな部分も、ほとんどミスと
いうものがみられなかったこと、また集中力と緊張度の高さが、最後ま
で持続していたのも成功のもとになっていただろう。金の指揮はスケー
ルが大きく、しかも音楽にブレス感があって、曲が十分に呼吸している。
リハーサルではかなり絞り上げたものと想像されるが、全員その気にな
って演奏に集中したのだから、金はその点でも包容力のある指揮者とみ
た。(9月5日・ザ・シンフォニーホール)
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