与太郎文庫
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2003年04月15日(火)  口辞苑 〜 やらかす 〜

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20030415
 
 ◆敬称略
 
 有森裕子「自分で自分を誉めてあげたい」
 アトランタ・オリンピック女子マラソンで三位に入賞し、バルセロナ
に続いて連続メダル獲得という快挙を成し遂げた有森のレース後の言葉。
 第13回〔1996〕流行語大賞【新語・トップテン】受賞者(岡山県出身)
 
 この頃から「猫に餌をあげる」ことなどが、日本国民の“ジョーシキ”
となったのである。この勢いに、国語学者も沈黙するほかなかったが、
かなり以前から、兆候はあった。
 
 映画《黒い雨》のロケ(TV宣伝用に放映)で、三木のり平のセリフ、
「いい夢を見せてもらった」というところで、NGとなった。
「夢を見サせてもらった」といいかえるよう小声で指示されたのである。
 
 このときの監督が(いま思いだすに)今村昌平とは信じがたい。
 なぜ「見せてもらった」ではいけないのか。
 三木のり平も(内心では)首をかしげていたのではないか。
 
 与太郎は、本編を観ていない上に、原作も読んでいないが、次の疑問
をもつ資格はある。もともと、このセリフの原文はどうだったのか。
 
 この作品には原作の原作ともいうべき医師・重松静馬《被爆日誌》が
あり、石堂淑朗との共同脚本でもあるという。さらに広島弁(福山)を、
どの程度とりいれているのか。
 
── 今村 昌平・監督/井伏 鱒二・原作《黒い雨 1989 日本》
 出演=田中 好子/市原 悦子/北村 和夫/三木 のり平/小沢 昭一
 
 1968夏、ビクターの課長が(資料を)「送らサしていただきます」と
いってくれたことがあり、ながく気になっていたところ、1995年ごろの
ワープロ(CanoWord J10)では、りっぱに“送りがな変換”できた。

 当時のメモによると、山陽新聞の外電で「過ちを繰り返さサすな」が
登場し、ついにここまで来たか、とワープロで打ってみると、さすがに
“送りがな変換”できなかった。
 
 最新のIMEでは、それぞれ「遅らさして」「繰り替え刺さすな」、
「自分を褒めて上げたい」「猫に餌を挙げる」となって、かならずしも
無条件に容認していない。
 
 与太郎自身は、決して認めないつもりだったが、はからずも十一年前
のスピーチで、最後に「お話させていただきました」と結んでしまった。
→ 《卓話・暦の話 19920131 総社ロータリークラブ》
── http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=19920131
 
 ◆使役なまり
 
 関西弁のふるさとは四国・徳島であり、その南端は九州とみられる。
 鹿児島出身の坂上二郎(コント55号)が舞台で、なかば笑いながら、
「やらサしていただきます」と言うと、どことなくおかしかった。
 
「やらせていただきます」というところを、いささか不自然に(卑屈に)
表現しているように聞こえる。
 NHKアナウンサー用法では「天皇がエサをおやりになる」。
 
 「やる」とか「やらせる」が、下品な想像をもたらし、女性にそぐわ
ないところから、「子供に乳を」とか「ペットに餌を」与える場合に、
もっぱら「アげる」と言い換えることが定着した。
 
 新聞記事によると元暴力団組員だった建設会社会長は「松浪議員から
『秘書1人、面倒見てほしい』と頼まれた」と話しているのに対して、
「会長から『応援したい。秘書給与1人を面倒見る』といわれて甘えた」
と、両者の言い分が大きく食い違うことを伝えている。
 テレビのぶらさがり会見で、松浪議員は関西なまりでこう語っている。
「向こうから面倒を見さしてほしいと、相談があった」
 
 「見さしてほしい」と言っていたのに、なぜか「見てほしい」「見る」
と書かれている。どうして元のまま記事にしないのだろうか。
 書きことばの会話文は、話しことばの実態から離れている。
 
 結論を言えば「見さして」という表現が、新聞記事の文法上で認知さ
れておらず、慣用句としても認められていないからである。
 このことは、テレビ界では微妙に屈折している。
 
 大阪出身の女子アナいわく、大阪発のニュース原稿は、しばしば関西
弁が挿入されるという。
 
 たとえば間ぬけな泥棒が、コンビニ店員を脅かした場面で、ひとこと
「早うせんか、このドあほ!」というような(あらずもがなの)セリフ
があったという。
 
── 森 富美《踊る!さんま御殿! 200. 日本テレビ》の発言から
 元ミス日本の和風美人をからかって、わざと担当者が書きこんだ可能
性もあり、もとは関西出身者ならではの自虐的コンプレックスであろう。
 
>>
 
 チョンマゲ代議士、暴力団から秘書給与 (夕刊フジ)
 2003 年 4月 15日
 「チョンマゲ議員」として知られる保守新党の松浪健四郎衆院議員
(56)=大阪19区=が平成9年から翌年にかけ、暴力団組員(当時)
が会長として実質経営していた大阪府内の建設会社に、私設秘書の給与
計275万円を肩代わりさせていたことが15日、分かった。松浪氏は
大阪府警に対し、会長に関する捜査状況まで問い合わせており、進退問
題が浮上するのは必至だ。
 読売新聞によると、松浪氏は地元私設秘書の月給25万円を9年3月
から7月までと、後任秘書の月給を同9月から翌年2月までの計11カ
月間、会長の会社に肩代わりさせていたという。
 松浪氏は知人から「会長は暴力団組員だ」と聞かされたのは9年末と
しているが、秘書給与の肩代わりをやめたのは翌年2月。しかも、政治
資金収支報告書を修正したのは同紙の取材を受けた直後の今月初めだっ
た。
 さらに、会長は10年3月5日、大阪府営住宅解体工事をめぐる談合
容疑で大阪府警に指名手配され、同12日に逮捕されているが、松浪氏
は逮捕直前の同8日、都内の喫茶店で会長と面談。その場で、府警に電
話を入れ、捜査状況を問い合わせているという。当然、会長が暴力団員
と知ってのうえである。
 府警によると、この会長は10年7月まで暴力団酒梅組系組員。酒梅
組は大阪・東心斎橋に本部を持ち、構成員約210人。昨年5月、「七
代目酒梅組」として指定暴力団に指定されている。
 松浪氏は同紙の取材に対し、「初当選直後、会長から『応援したい。
秘書給与1人を面倒見る』といわれて甘えた。(暴力団員と聞いて)ま
ずいと思った。知らなかったとはいえ猛省している」と話しているが、
会長は「松浪議員から『秘書1人、面倒見てほしい』と頼まれた」と話
しており、大きく食い違う。
 また、松浪氏は逮捕直前の面談については「指名手配とは知らなかっ
た。会長に頼まれて大阪府警に電話した。警察が会長を捜しているとい
うので『早く出頭した方がいい』と促した」といい、会長側から公共事
業の口利きを依頼されたことには「(会長の)依頼も便宜も図ったこと
は一切ない」と主張している。
 松浪氏は専修大教授から衆院議員に転身、現在2期目。12年11月、
衆院本会議で内閣不信任決議案への反対討論中、野党議員のヤジに腹を
立ててコップの水をかけて、25日間の登院停止処分を受けている。
 
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(2005/07/23)
 
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 かくして保守新党は14議席の一を失った。
 さきの「天地天明に誓って」←「天地神明(植草教授も使った)」や。
最初の「見さしてほしい」から、こんどの「未熟さ」も、おかしい。
 チョンマゲは(このような時に)切るために結わえていたのか? 
 つぎはシッポを切るつもりか。(200306‥)
 
(↓)今昔キンタマ娘 〜 別れろ切れろは覚悟のうち 〜
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20051010


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