与太郎文庫
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2003年03月27日(木)  友情の暦

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20030327
 
■2003/03/27 (木) イランの友 〜 大使館の紳士 〜

 十二年前の夏、在日イラン大使館に電話をかけた。
 イスラム暦とグレゴリオ暦の他に、独自の太陽暦を使っているという。
 かりに日本の大使館員が、外国人から、旧暦について問合せがあれば、
「自分はそのことを知らない」と正直に答えるだろうか。さもなくば、
よほどの博識がなければ、正しく教えることはできないのである。いち
ばん困るのは、どうせ外国人だから、いいかげんに答えてもよかろう、
と間違った(あやふやな)回答をされることである。
 そこで担当者の識見をためすため、やや不自然な質問をしてみる。
「イラン暦に、閏年はありますか?」
「もちろん、あります」
 すこし考えてから答えてくれたので、信頼できそうだ。
「私は暦の研究をしています。書物で解説されている暦の法則が、今も
実際に行われているかどうか、たしかめたいのです」
「なるほど、それでは私どものカレンダーをお送りしましょう。
あなたの、アドレスとお名前をどうぞ」
「……市……の、アワ・……と申します」
「AWA……、うつくしいお名前ですねぇ」
「これはどうも。あなたのお名前も、ぜひ聞かせてください」
「わたしは、ソーファニー、といいます」
「そのカレンダーに、あなたのサインを記しておいてください」
「よろこんで」
 翌々日、ていねいに包装されたカレンダーが届いた。
 約束どおり(ペルシア風の英文字で)つぎのように署名されていた。 
 
 Dear Mr Awa
 Thank you very much for
 your Interest to our country.
 Your friend
 Sohanj
 Aug.17.1991
────────────────────────────────
 電話では“ソーファニー”と聞こえたが、下記のHPでは“ソハニ”
と表記されている。
── 一般講演「イラン産柑橘(リムシリン)の特性と加工法について」
(曙貿易蝓縫▲漾璽襦Ε愁魯法拭畋茖影目 1996 or 20020906(金)】
── http://wwwsoc.nii.ac.jp/jscs/oral%20presentation.htm

■2003/03/27 (木) イランの暦 〜 ソーファニー氏への未投函礼状 〜

 イラン・イスラム大使館 03-3446-8011
 Mr.Sohani ソーハニー 様

 前略
 美しいカレンダーを早速お送りいただき、ありがとうございました。
 私は、生没人名録の編集にともなって、それぞれの暦法を研究してい
ますが、預言者マホメットの誕生日が、従来の(日本の)人名辞典では
示されていなかったので、たいへん参考になりました。
 イラン太陽暦 (A.H.S.) の閏年が第三年目に置かれることは確認でき
ましたが、長期置閏法(128年ごとに省閏)の起算年が明らかでなく、
ヘジラ元年と一致しないのは、西暦1925年 ( 1304 A.H.S.) 制定に
あたって、グレゴリオ暦との融和をはかったためでしょうか。
 また、ウマル・ハイヤームの考案したジャーラリー暦は、実施されな
かったとする説がある一方、西暦1976〜77年にかけて、ペルシア
帝国暦として復活採用されたともいわれます。
 まもなく《暦日総譜》の一部、ヘジラ紀元(前後)暦日対照表を完成
して、お届けしますので御高覧ください。
 このたびは、テレホン・カードを同封しましたのでお納めください。
(Let'19910820)
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 こんなにも尊敬すべき紳士から「親しい友よ」と呼びかけられたのに、
いまだに礼状を出さずにいることは、かえすがえすも残念でならない。
 与太郎に言い分があるとすれば、初志を貫徹して、紀元前十世紀から
紀元後十世紀までの《暦日総譜》完成のあかつきまで、留保すべきか。
 およばずながら一ヶ月後に「失われた日々をもとめて・解題」として、
《西暦元年元旦の曜日 19910923》を書きあげることができたのである。
→ http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=19920101
 
 通説で「グレゴリオ暦より精度が高い」といわれるイラン暦の原型は、
イスラム・ルネサンス期にあたる十一世紀に開発された「ジャラリー暦」
である。現在のイラン、アフガニスタンの公用暦とされる。


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