与太郎文庫
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1978年10月20日(金)  JOKE BOX 〜 男性専科・冗句箱 〜

 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19781020
 
 冗句箱 洋酒篇
 
 ■ 2月14日
 
 ふだん気にとめてもいなかった女性がチョコレートをくれる日だとい
うが、ほんとに貰った奴がいるかどうか、あやしいものだ。聖バレンタ
インという人物の存在も三世紀のころだから、あやしい。
 実は四年前のこの日、キリンビールが米国シーグラム社と提携したウ
イスキー≪ロバート・ブラウン》を発売した日である。その日を待って、
みんな首を長くしていた、という説もあるが、これまたあやしい。
 モテない男が、パチンコで取ったチョコレートをつまみに、ひとりで
飲むための酒だとも伝えられ、この方がもっともらしい。
 
 ■ はだかの王さま
 
 ウイスキーが終戦後、ストレートからトリハイになり、やがて水割り
全盛期を迎えたのは、サントリー・オールド登場以来である。独特の渋
い口あたりが、水割りに適していることを見ぬいた通人も少なくないは
ずである。
 水道の水がもっとも相性が良いことも今では知られている。残念なこ
とに各地の水道局が、なぜか容器を発売してくれないので、多くの酒場
では、やむなく、ミネラルウォーターの空ビンを使用している。
 かくてオールドは、夜の帝王となって角の他に飛車(リザーブと称す)
を加えた上、金銀をフルに使っている。ご当地はもとより、お隣りさん
からお向いさんの金銀をねらっているのも、衆知の事実である。
 
 ■ G調考
 
 日華事変など、最近のヤングはまるで知らない。ニッカ・ウイスキー
が、その勃発記念に発売されたのではないという歴史的事実は、知って
おくと何かと便利である。
“G&G”が、何の略称であるか、つぎの各説がとなえられている。
 まず、ネーミングが決らず、発売日に間にあいそうになくなったので、
とりあえず文字を入れておこう、というわけで“字&字”に由来する説。
 つぎに、年配層を対象に名づけられたとする説。最近の若い者はなっ
とらん、と“爺&爺”が意気投合し、たちまちにポトル一本あける情景
が目にうかぶ。
 ぐっと高尚な説として、音楽用語のGは、ト音もしくはソにあたる。
寝正月みたいに家でチビチビ飲られたのでは商売にならず、トソ気分で
ソトへ出て、大いにメートルをあげてもらいたい、というメーカーの切
々たる願いが秘められている、という説。いずれも真偽は定かでない。
 
 ■ ひとりぼっち
 
 オーシャン・ウイスキーは宣伝不足のせいか、最近では酒場の隅にか
くれているようだ。ほんとうの遊び上手ならば、バーテンに銘柄を問わ
れたら、すぐ手配すべきである。“ナニ、置いとらん? 
不勉強であるナ”と叱ってみるのもよい。
 マダムが出てきて“申しわけございません、おわびにスコッチを半額
以下でお召しあがり下さい”といわれれば、しぶしぶ承知してよい。そ
のかわり、帰るまでホステスが誰ひとり寄りつかないかも知れない。こ
のように孤独な人の愛飲するウイスキーである。
 太平洋ひとりばっちの堀江青年も、梅干しをかじりながら、飲んだの
ではないか。その彼にとっては三つの楽しみ“三楽”のひとつであった。
 
 ■ ちょっと底まで
 
 フクダさんの説明がなくても、円が高くなればスコッチが安くなるで
あろうことくらい判っておる。さる有名スコッチメーカーも、日本市場
での将来性に期待して、日夜その対策を考えている。
 まず運賃コストを下げるために、いくつかのアイデアが検討されてい
る。何といっても液体を船で運ぶこと自体にムタがある。濃縮して錠剤
にするとか、冷凍して北極経由で運ぶことも、真剣に討議されたが、バ
カバカしいので中止された。
 残る方法は、エネルギーなしで日本に送りこむことしかない。そこで、
海底に直通のビニール・ホースを沈めておき、すこッチづつ、流しこむ
のはどうか。たぷん、今世紀中には飲めないだろう。
 
 ■ 冗句の五戒
 
 ジョークは、女性には通じない。笑ってくれる場合もあるが、営業上
の愛想やわけもなくおかしい気分の時だけである。
 ジョークは、ひとり静かに楽しむべきである。どうしても誰かに聞い
てもらいたい場合には、あらかじめ暗記して、鏡に向って練習してみよ
う。五回もくりかえしてるうちに、つまらなくなる。
 ジョークは、しょせん冗句にすぎない。男同士で、どんなにヒマや信
頼があっても、なるべく口にしないこと。けっして尊敬を得ることはで
きない。
 ジョークは、アメリカの生んだ性急な遊びである。日本では“冗談い
うな!”と本気で怒るバカが多いので要注意。
 ジョークは、インスタントで、独創性がなくてはならない。徹夜して
考えたのはたいがい受けない。アメリカ人はそれでも大好きである。
 
──その例をひとつ。
 
 セールスマンがやって来た。受付嬢が、彼の顔をみて“まあ、どうな
さったの?”
 彼は即座に答える“ゆうべ女房のゲンコツを思いきりなぐってやった
のサ、もちろん、この顔でね”──いかがかな?
(マイ・チンからの連想?)
 
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 冗句箱 洋楽篇
 
 ■ 助走(序奏)
 
 高見山・山本直純・笹川良一のトリオとかけて何と解く? 
 ボートレース(競艇)のコマーシャルである。ココロは、うまくいけ
ば親孝行もできるが、うまくいかない場合は家計に“火の用心”という
笹川オヤブンの配慮が行きとどいている。
 しからば、オヤブンはともかくとして、力士やコンダクターが出演し
ているのはなぜか? 
 彼らは、巡業や公演で、旅に出ることが多いけれども、つとめて切符
を買ったから今日あるわけだ。どうしても買えない時は電話を利用する
のかも知れない。
 山本直純センセイの音楽番組《オーケストラがやって来た》は、そう
いうわけで電電公社がスポンサーとなっている。
 しかし、電話で切符を買うとオヤブンのフトコロには、25パーセント
の取り分が入らないので、関係者の間では、公営ノミ行為も真剣に検討
されているようだ。
 金星の新記録を樹立したジェシー関もますます期待されることになろ
う。
 
 ■ 暴走(暴奏?)
 
 その山本直純センセイが、せんだって無免許運転でアブラをしぼられ
た。
 夫婦ゲンカの最中だったとかで、警官が免許証の提示を求めたら、セ
ンセイは何をマチがったのか「離婚届」を出したというが、誰も見た人
はいないというから、たぶんウソだろう。
 このJokeBoxは、事実以外の真実を述べることがあるので注意
されたい。
 
 19780806 山本直純、無免許運転。警官の停止を振り切り逃走。10日、
書類送検。
 
 ■ 代走(代奏?)
 
 番組をオロされたセンセイのピンチ・ランナーには、イワキ、オザワ
といった国際的な大指揮者が起用されている。
 山本センセイだって、あの風貌からは信じられないが、日本音楽界で
の実力と貢献度は、イワキ、オザワと並んで、いささかも遜色がない。
たぶん夫としての能力に問題があったにちがいない。
 大きいだけが良いことかどうか、定かでないのが残念である。
 チガイの判る男として、インスタントコーヒーのコマーシャルに登場
しているのが岩城宏之センセイである。東京芸術大学に8年も学び、N
HK交響楽団では若くして終身指揮者の称号を得た。
 初めて海外遠征を企てたN響が、彼を登用したのは、ショパン・コン
クールで知られた中村紘子に、どこの馬の骨だか分らない若手指揮者を
組みあわせたのだ。 かくして欧米の一流オーケストラまで、ことごと
く彼の棒にあやつられている。
 
 ■ 奏上(増長?)
 
 ほんとうにチガイの判る男は、むしろ小沢征爾センセイではなかった
か? 
 若き日のオザワは、オートバイに乗って国際指揮者コンクールに挑戦
し、見事栄冠を勝ちとった。財閥の令嬢と結婚し、パリの社交界に迎え
られ、世界のオザワとなるや、大指揮者カラヤンにならって美貌のファッ
ションモデルに乗りかえた。
 その彼にしても、カンチガイした例がある。天皇陛下に拝謁の際、ノー
ネクタイで参上し「オーケストラの赤字をナントカしてください」といっ
た意味の奏上を敢行した。
 借金のことなら、やはり笹川オヤブンに申しこむべきではなかったか。
 
 若いくせに美人の女房をもった指揮者に、オーケストラのメンバーは、
冷淡になる。面白くないから、演奏会がハネると、仲間同士で一パイ飲
むことになる。
「なんだい大物ぶりやがって」とホルン奏者がいうと、ビオラ奏者が、
「二曲目の第三楽章で、奴の棒はマチがっていたぜ」とさかんにグチる。
 だんだん、アルコールが回ってきて、さんざんハシゴしたあげく、気
がつくと、懐かしくもない我が家。
「アナタっ! いままでドコを飲み歩いていたのです!」と細君がドア
の向うに立ちはだかって血相を変えている。
「いやその、今日は給料日だったから、ついクラリネットのA君に誘わ
れてね」 そこで細君が、夫の胸ぐらをつかんで給料袋を引っぱりだし
て、叫んだ。「まぁーっ何てこと、カラやん!」
 
(197809‥ 未完草稿)
 次号は、イタリア式四つのレ
 ↓
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20050203
 ダ・ジャーレ記念日 〜 Viva da-Jare ! 〜
 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19660128
 《AT 19660128 edited by Awa Library 》
 
 ◆
 
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19781020
 JOKE BOX 〜 男性専科・冗句箱 〜
 
 キリンビール≪ロバート・ブラウン 19740214 シーグラム》発売
── 《JOKE BOX 男性専科・冗句箱・洋酒篇 197810‥ 月刊山陽》
── 《JOKE BOX 男性専科・冗句箱・洋楽篇 197811‥ 月刊山陽》
 
(20061105) 


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