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■ 【料理エッセイ】 茄子とナマリ節の煮びたし
アタシの母は料理が上手かった。決して家庭的でもなく、良妻賢母ではなかった母の、唯一の誉め場所と言ったら、私にちゃんとお袋の味と言う愛しい記憶を数多く残してくれた所だ。 母は小洒落た洋風料理も上手かったが、田舎料理のような素朴な料理もまた得意だった。 アタシがお袋の味で真っ先に想い出すのが、茄子とナマリの煮びたしだ。
子供の頃、アタシは茄子が嫌いだった。 給食でも家でも茄子には一切箸を付けなかった。 そんなある日アタシが扁桃腺の高熱を出し、食欲も無く喉も痛く、二日間ほど何も食べられずに居た時、母が冷蔵庫で冷たく冷したおかゆと茄子の煮びたしを出して来たのだ。 「茄子なんて食べられないよ・・・」そういう私に母は「騙されたと思って食べてごらん? 冷たくて美味しいんだから・・・」そう言って小さく箸で千切り、アタシの口の中に放り込んだのだ。
柔らかく、薄味だったが、かつおのナマリ節の出汁が染み込んだ品の良い薄味のその煮びたしは、口の中にヒンヤリ心地良く、とても美味しく感じた。 大嫌いだった茄子を克服した瞬間だ。 それ以来母は良く茄子の煮びたしを作ってくれた。 コレは作りたての暖かいものよりも、冷蔵庫で冷やしたほうが断然旨い。
昨日まで刺身で出していたかつおのたたきが余ったので、久々に母の味が恋しくなり、今作ってみた。 あぁ・・・、まさしく母の味だ。 懐かしいなぁ・・・・・・。
今日の付き出しは、アタシの思い出の味。 なすの煮びたしです。
【材料】
かつおの刺身の余り 適量 なす 4個 酒 大さじ3 砂糖 小さじ2 醤油 大さじ1 塩 少々 みりん 少々
【作り方】
☆かつおは酒と塩少々を入れたお湯でしっかりと茹でる。 ☆冷ましたかつおは、手でほぐす。 ☆茄子は縦に4等分し、皮にソーセージのような切込みを入れておく。 ☆鍋に水と調味料を入れ薄目の甘じょっぱい煮汁を作る。【汁の濃さ甘さは、個人の好みで付ければいいが、薄味の方が冷めた時に丁度良くなる】 ☆かつおと茄子を入れ、30分ほど煮含める。 ☆なすが柔らかくなり味が染み込んだら、冷蔵庫に入れて冷やす。 ☆食べる時に好みで針千本のしょうがを添える。
2006年05月26日(金)
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