マキュキュのからくり日記
マキュキュ


 【エッセイ】 「頑張れ!!」 と言う言葉の重さ


【頑張れ!!】【頑張ってね!!】【頑張るんだよ!!】

普段何気なく使っているこの言葉。
勿論、私も毎日のように使ってる言葉だし、又、掛けられている言葉の一つだ。
一日に一回は、必ずと言って良いほど、皆がどこかで使う言葉ではないか・・・と言う気もする。
言わば、癖のような、挨拶代わりのようなこの言葉。
昨夜はこの言葉に付いて一晩中考え込んでいた。

昨日、気もそぞろな内に仕事に出掛けた。
フリの様子も気になっていたし、何時朗報が入るのかが待ち遠しい気持ちだったし、仕事中は携帯を使えないと言うもどかしさに、いっそ仕事をサボってしまおうかとさえ思っていた。
でも・・・、【そんな事してたらいけない!! あれだけ長く休んでいたのだから今は頑張らなきゃ・・・!!】と、自分を奮い立たせ、重い足取りで仕事に行ったのだ。

そんな心境の中で、高い方のブーツが商品代引きで2つも売れた。

昨日は頑張って売ろう! 等と言う気持ちは全く無かった。
正直言って、私の中での【マニュアル通り】そして【心此処に有らず】の状態で、一刻も早く時間が来たら、さっさと家に帰りたい・・・と言う気持ちで仕事をしていた。

そして所長にいつも通りの報告の電話を入れた時、所長がこう言ったのだ。

「おめでとうございます。凄いですねぇ〜○×さん・・・・・・。最近調子良いじゃないですかぁ・・・・・・。明日もあさってもそんな調子で頑張ってください!!」

私は何時もの、この何気ない所長の言葉に、何故かとてつもない哀しみを感じてしまった。
無論、所長に悪意が有る訳もなく、単なる何時もの激励の言葉なのだが・・・・・・。

ただただ、私の感覚の中での、空しさと言うか、寂しさと言うか、何か訳の解らない感情がドッ!と溢れて来て、こんな言葉で泣くのも可笑しな話なのだが、泪が溢れて仕方なかったのだ。

「頑張って!」が、とっても嬉しい時と、ちょっと辛い時がある。
頑張りたくても頑張れない時がある。
頑張ったからこそ、駄目な時もある。
「頑張ってね!」よりも、「良く頑張ったね!」だけの方が嬉しい時もある。

昨夜は【今日は頑張らなかったから、売れたのだ・・・】と、私の中では思っていた。
売れた時も、売れない時も、私は毎日一応分析して、あれこれ考えるのだ。その要因やら原因を・・・・・・。
だから昨日は昨日で、頑張らなかったから・・・、やはり、無欲な状態だったからこそ売れたのだ・・・。と思っていた。
後は、バッチォの時もそうだったが、病床にいるフリンジが反対にパワーをくれたのだ・・・・・・、と・・・・・・。
フリに私達の祈りが通じ、感謝してくれたフリンジが、反対に励ましてくれたのだと・・・・・・。

人間も、動物も、全ての生き物も、皆それぞれ個々に精一杯頑張っているものだと思う。
それぞれのペースで、それぞれの頑張りの中で皆が生きている。
もちろん個人差はあると思う。頑張りが大きい・小さいの差は有るかも知れないけれど、頑張っていないものなんか誰一人としてこの世に居やしない。

でも・・・・・・。
頑張らなくて良い時が有るのではないか、と思う・・・・・・。
気を抜いて良い時も有るのでは、と思う・・・・・・。
頑張る事に疲れ果ててしまう時も有るのでは、と思う・・・・・・。

鬱病の人に「頑張れ!」という言葉が重荷になるのと一緒で、「頑張れ!」が煩わしい時がある。苦痛に感じる事が有る。
例えば、元気になる希望も無くなってしまった癌の末期の患者に、「頑張れ!」はあまりに苛酷なのではないだろうか・・・・・・。
何かの原因で、自ら命を絶とうとしているような大きな悩みや辛さの中に立たされている者にとっての「頑張れ!」は痛過ぎるのではないだろうか・・・・・・。

誰だって、散々頑張って、頑張って、頑張り抜いて・・・・・・それで心身共に疲れちゃう時も有るんだもの・・・・・・。

そんな時は、「頑張らなくても良いよ・・・。一杯頑張って来たもんね? だから、もう頑張らなくても良いよ・・・・・・」と抱き締めて身体を揺すって欲しい事も有る。

でも、【頑張って!!】と言う言葉は、やはり嬉しい時の方が圧倒的に多い。
そしてその言葉を聞かないと、何か淋しい・・・・・・。
それは私達の元気を呼び起こす、一種の合言葉なのだ。
掛ける側より、受け止める側の心境で、嬉しかったり辛かったりするだけの物なのであろう。
だからきっと、これからも、「頑張ってね!」と言う言葉は、やはり毎日使うだろうし、毎日聞くだろう。
でも・・・、私なりに【頑張って!!】の使い方を、今一度考え直してみようかとも思う。
少なくとも、相手の状況を思いやり、配慮しながら使って行けるように努力したい。
自分の善意を表す言葉としてではなく、本当に相手に頑張って欲しいと心から感じた時だけに使って行くようにしたい。


あっ! 今、リカから、心待ちにしていた電話が入りました。
以下はリカからの報告です。

フリの状態は、やはりとても深刻な状態だそうです。
お医者様からは「覚悟をしておいて欲しい」とまで言われてしまったようです。
貧血と体力低下で全ての皮膚が蒼白状態で、今日南先生の紹介で、他の病院に転院したと言ってました。今日になって簡単な輸血もしたそうです。
昨夜危ない時が何度かあり、リカ・旦那様と昨夜は一睡もせず、ただただ祈っていたと言う事です。
それでもやはり奇跡を起こし、今は持ち直して頑張っているとの事で、私も少しホッ!といています。

私達も祈ってるんだよ、皆が応援しているんだよ、と告げると、リカはしみじみと、「ありがたいね・・・・・」と、涙ぐんでました。

ともかく祈るしかない。奇跡を信じて祈るしか・・・・・・。
そして、リカとフリンジが再び元気に抱き合えるまで、私達は祈るしかない・・・。

そんな疲労困憊の中にいるリカたちの為に、こちらからの連絡はしないで置こうと思っています。
リカが随時報告をくれると言うので、それを今後も待つつもりです。

ともかくフリが辛く苦しい状況を、一刻も早く脱してくれるよう、祈りつづけたい。



2004年01月21日(水)

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