マキュキュのからくり日記
マキュキュ


 (日記)楽しかった下田研修 (最終回)


昨夜、遅くまで飲みながら話が盛り上がったので、朝(Y)さんと二人して寝坊してしまい、フロントからのインターフォンで起された。
「レストランで朝食のご用意が出来ております。先ほどからお待ちですのでそろそろ降りてくださいますか?」
【ヤバッ!】
慌てて顔を洗い、二人でレストランへ降りて行き、食事を取る。
その日の希望は、和食にしておいたので、これは正解だった。
イカにも旅行先の朝食と言うような、和食セットが良かった。
【アジの干物・海苔・納豆・小鉢が2つ・生卵・味噌汁・漬物】

朝食を取り終え、コーヒーを飲みながら軽くおしゃべりして部屋に戻りお掃除をする。
そして(Y)さんに駅まで送ってもらい、長野での再開を約束し、私は帰路についた。
彼女には為になる話を一杯に聞けた。

乗った電車は、所々座席が窓際に向いて作られた、洒落た計らいの電車だった。
それだけで、もう、子供のようにはしゃいでしまう・・・・・・。
それで熱海まで行って、新幹線に乗り換える予定。
隣り合わせたアメリカ人夫婦と、片言の日本語で話す。(笑)

研修後、二日間の休みを貰っていて、兼ねてから「もし時間が取れたら呑もうね〜」と約束していたネット仲間達に夕方会う事になっていたので、約束の時間まで大幅な時間が空くので、東京の四谷に住む従姉妹(R)の家で時間を潰しがてら、去年、高齢出産をしたと言うので、子供の顔でも見に行こうと思い、電話を掛けると生憎午後には出掛けてしまうと言う。
そこで同じビルに住む、もう独りの従兄弟(N)に電話すると留守だ。
もう一度従姉妹の方に電話し、従兄弟の(爆)所在を聞くと、「そう言えば、芝居の稽古だって言ってたよ〜。確か、吉祥寺辺りにいるんじゃないかなぁ・・・」と言っていた。
仕方ない・・・・・・。諦めるか・・・・・・。

従兄弟の(N)と(R)は兄弟で同じ持ちビルの上と下に住んでいる。
(N)は私より4つ上で、亡き大物喜劇俳優(MN)の長男。
あまり売れては居ないが(爆)、一応は今でも現役の役者である。
子供の頃から異端児で、私も(N)も良く叔母達の【こき下ろし】の的にされていた。
叔母達から私がガミガミ言われていると、「皆はH【私の本名のイニシャル】の本当の優しさを知らないんだよ・・・」と、何時も庇ってくれた仲良しの心強い見方だ。
(N)のお陰で音楽に目覚め、ヒッピーやらの仲間にも、Jazzのアーティスト達にも知り合えた。
摩訶不思議な感性に出会えたのも、(N)のお陰で、今でもちょくちょく電話で話したりもしている。

どうしよう・・・・・・。使えるお金も無いし、時間大幅に余っちゃうし・・・・・・。
映画館に入るお金も無いや・・・・・・。

そうこうしている内に熱海に着き、新幹線に乗り換えた。
こうなると4時間もの時間を潰す手立てが無い。プラプラ散歩をするには荷物も重いし、寝不足で疲れすぎている。
生憎この日に限って遊んでくれる人が誰も居ない。

え〜い!こうなりゃ手当たり次第だぁ〜(笑)

そして網に引っかかってくれたのが、元夫。(笑)
「俺は時間繋ぎのほんの暇つぶしかよ〜」と苦笑しながらも、快くお守り役を引き受けてくれた。
息子とは時たま交流がある見たいだし、私とも過去の修羅場を越えた仲。
今ではお互いをボロクソに言い合える、良き友人の一人だ。
息子が高校入試の時以来、会っては居ないが、偶に電話で話したりはしていた。
フゥーリィーもそれは承知である。

東京駅で待ち合わせをし、私が通っていた中学や、懐かしい場所を廻ってくれ、ラーメンを奢ってもらって(笑)神楽坂にある彼の家に行き、義母と22年ぶりの対面をする。
神楽坂と九段は直ぐ隣で、見覚えのある店なども顕在し、タイムスリップをしたような感覚に捕らわれた。【懐かしい・・・・・・】
九段は私が人生の中でも一番楽しく、青春時代に輝いていた頃に住んでいた想い出深き街なのだ。

義母の体調を聞いていたので、恐る恐る彼の家に入る。
もう90を当に過ぎた義母は、足こそ不自由で、多少のボケは有るみたいだが、まだトイレには自力で立てると言う。
『お義母さん・・・。お久しぶり〜♪ 覚えてますか?』
顔を見た瞬間、涙が一杯に溢れ出て来た。
かつては一緒に暮らしていた義母の老いた姿を見て、私は複雑な気持ちだった。
こんなにシワシワになっちゃって・・・・・・。
「あらまぁ、珍しい人が来たわ・・・・・・。元気だった? 子供は?」
『うん・・・、うん・・・・・・。貴女の初孫は・・・もう22歳になったんだよ・・・・・・」

私はお義母さんの手を取って、抱きついた。
もう、言葉は出てこない・・・・・・。

【元気な内に会っておけて本当に良かった・・・・・・。】私は今日此処に来た事が正解だった事を改めて確認した。

暫く彼の家でおしゃべりし、駅まで送ってもらい新宿へ。
そして夕方皆と合流し、飲みに行く。
この間、携帯忘れ事件や、すったもんだの騒動が・・・・・・。(爆)

(B)は想像通りの優しく気の良い若者。(N)はとても40とは思えない無邪気さで、素直なカワユイ女性。(T)はやはり、摩訶不思議、意味不明、正体不明のぶっ飛び人間(笑)。(C)は傷付きやすいお年頃。ナイーブで優しくて、イカにもガラス細工のようにモロそうだ・・・・・・。

そんなメンバー達とひとしきり楽しく飲んで、日記の再開を約束し、私はフゥーリィーの待つ松本へと帰って来た。

皆、ありがとうね〜♪ あの夜は私が日記再開を決意出来た、新しい出発の為の夜でも有ったんだよ〜。
また皆で飲もうね。
あの夜の事は、私、決して忘れない。



駅まで迎えにきてくれたフゥーリィーの顔が、やたら眩しくて懐かしい・・・・・・。
そして、やはり、この上なく愛しい・・・・・・。

【今、この人と居て、本当にシアワセだ・・・・・・】心からそう思った。
フゥーリィーは、やっぱり私の故郷なんだ・・・・・・。
フゥーリィーと一緒に居て、本当の意味で、私が私で居られるようになったのだ。

「マキュ・・・、淋しくて、死んじゃいそうだったよ・・・!」
ジョークとも何とも取れぬ声でフゥーリィーが言う。

『私も早く顔が見たかったよ・・・・・・』

「本当かなぁ・・・? 俺のことなんか忘れて遊びまくってたクセに・・・・・・」

『んなことは無いよ〜! 本当だってばサ・・・・・・』

見慣れた駅前の風景さえが懐かしく感じる。

『色々なドラマが有ったのよ? この3日間で、色〜んな出来事が有ったんだから・・・・・・ねぇ? 聞いて? 聞いて? ・・・・・・』

私は家まで待てず、堰を切ったように喋り始めた・・・・・・。


(終わり)


今日のみそひともじ

ホラ見てよ 私が好む人々を
みんな優しく どこか淋しい・・・





2003年11月19日(水)

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