しそ摘み日記
akajiso



 ちゃんと落とせ

長男と次男がもめている。
「どした?」
と聞くと、長男が
「お母さん、ユージがいけないこと書いてる」
と言う。
「何書いてんの」
と聞くと、
「【シンデレラが死んでる】、って書いてるの。
【死んでる】とか、書いちゃダメだよねっ!!」
真面目な長男は青い顔をして言う。

「なにっ!!」

私が顔色を変えると、次男は
「わああっ、ごめんなさいっ、もう書かないからっ!」
と半べそをかいている。

 「どうせ書くなら
【シンデレラが死んでら】
あるいは、
【シンデレラが死んでレラ】
だろっ!
きわどいテーマを扱うときは、ちゃんと落とせやっ!!」

 私がドスを利かせて次男に迫ると、
長男次男は一瞬あっけに取られ、
次の瞬間、長男が言った。

「お母さん、それちがうでしょ!!」

 「違かぁないっ!」

ハッと目を輝かせた次男は、
机にとって返し、急いで今まで書いていた漫画を
修正し始めた。

「お母さん、そういうことじゃないでしょうよ!!」

長男は引き続き私に抗議する。

 「いや、これは大事なことなんだ!」


 その日学校であったことを
報告する息子たちの話を
最後までじっと聞いた後、
いつも決まって、

「で・・・みんなに受けたのか?」

と、問う母親に対し、不信感をあらわにする長男。

「受けた!」
と答える次男に対し、
「よし。受ければいい。何でも面白くなきゃダメだ」
と頭をなでる母。

 この家はお笑いタレント養成学校か?!
はたまた芸術家育成合宿か?!

 人を傷つけるな、陰湿な笑いはとるな。
 そんなもなぁ、つまんねえっ!
 くそつまらない真実はいらない。
 面白い嘘をつけ。
 面白くなければ、無理やり面白くしろ。

 それが母の教育方針。

 ・・・次男だけがついて来ている。
 

2004年02月24日(火)
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