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■ M氏への手紙
(前略)
さて、私のほうですが、 数ヶ月前より地元情報誌の記者の仕事を始め、 今日は、3つも掛け持ちの取材で、へとへとです。 1つ目は、住宅地の真ん中で 夫婦でやってる宝石の直し屋さんで、 良心的な料金で、親身になってお客様に接しているのがわかり、 いい文章を書いて、1人でも多くのお客様を呼びたいな、 と思いました。 その店は、儲かっていないのが明白な店なのですが、 取材しているうちに、ご夫婦とすっかり打ち解けました。 2つ目は、物凄い熱血中華屋で、ここは大変でした。 以前ずっとそこを担当していたライターがいるのですが、 「あの人の文章ではダメだ」 と、ご主人から「チェンジ指令」が出たらしく、 私が急きょ呼び出されました。 「もっと劇的な文章を書いてくれ」 「あかじそさんがどんな文章を書くか、お手並み拝見だな」 などと言われ、ものすごくプレッシャーをかけられましたが、 「旨い!」とか「絶対美味しい」などという断定的な表現が 広告上使えないという規定を説明し、 そういう規制だらけの中でも、工夫して熱い心意気を書いてみます、 と、言って帰ってきました。 そこのご主人のルックスといい、喋り方といい、 なにせMさんそっくりで、 「おたく、下手な記事書いたらわかってるんだろうね〜」 なんてそっくり口調で言ってくるものだから、 「わかったわかった、タローちゃん」 と言いそうになりましたよ。 あぶない、あぶない。 3つ目は、脱サラのおじちゃんが自分で建てた小屋でやっている革製品のリペア屋さんで、 おじちゃんの、 「世の中金じゃないんだ」 「したい仕事しか受けないんだ」 「こだわりの生き方をしたい」 「でも自分のこだわりがまた、ストレスの元となっている」 なんて話を1時間も聞かされて、結構疲れました。 2軒目の中華屋では、腹いっぱいだったのに 「旨いもの食わせてやる」 と、強引に坦々麺とギョーザと鳥の本格から上げを出されました。 最後の汁の一滴まで味わえ、と言われ、 笑顔でゲプゲプしながら(旨いんだけど満腹で泣きながら) 完食しました。 一日がかりであちこち取材で回りましたが、 報酬は、ほんのちょぴっとです。 でも、こうやって毎日いろいろな職業の人たちと出会って 話をしていると、得るものが大きいんですよね。 世の中をいろいろな角度で切り取って見られる面白さ。 この経験は、私のかけがいのない財産だと思っています。 お金ではない報酬をたくさんもらって、 もっともっと目の開いた人間になっていきたいと思って、 日々頑張っています。
(後略)
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M氏は、私の大学時代の先輩で、 みちのくのカリスマだ。 オペラでイタリアと岩手を股にかける40代男性。
私も埼玉と、どこか外国を股にかけたいもんだ。
2002年09月19日(木)
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