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『深追い』 実業之日本社 横山秀夫 - 2003年04月09日(水)

『第三の時効』は最前線で活躍する刑事たちの熱きドラマだったが、本作は舞台が地方都市でもう少し環境的にほのぼのしてる感がする。登場人物等もそんなにリンクしておらず(署長だけかな?)1編1編普通の短編集として読むことが出来るかなあ。

内容的にはバラエティーに富んでいて、最終編の「人ごと」においては警察官以外の人物が主人公となってます。
舞台は地方都市の三ツ鐘署。敷地内に庁舎、独身寮、家族官舎などがあり職員のあいだでは“三ツ鐘村”と揶揄されておる所。県警との関係を上手く織り交ぜつつ、所轄署ならではのネタの選択は舌を巻くものがある。
登場人物も交通課,鑑識係,盗犯係,警務課,生活安全課,次長,遺失物係,と言った様々な部署が取上げられていて,多彩です。1編1編主人公の過去にまつわる話や軋轢が盛り込まれていて『第三の時効』より人情的な話としては楽しめそうな気がします。

どの短編も甲乙つけがたいですが、あえて1編選ぶとすれば、「訳あり」かな。それにしても各タイトル名も文章と同じく小気味がいいです。

評価8点。

 


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