| 2003年12月22日(月) |
仏教社会主義国ラオス |
このタイトルを見て、 社会主義=宗教否定だろと 思った方がいるのではないかと思います。自分もそうでした。 しかし不思議かな、ラオスは仏教を深く信仰している国なのです。
ラオス人民共和国は、東アジア唯一の内陸国家。 海に面した場所が無く標高も高め。原生林が多く残り、 アジアの中で一・二位を争う野生動物の宝庫と言えます。
上は中国、横にはベトナム・ミャンマー・カンボジア、 下にはタイと言う蒼々たる国家に囲まれながら、 つい最近まで鎖国を貫いてきたと言う実績を持っています。
我々若い世代(20代)にはあまり知られていませんが、 父親の世代の方(40代)では ゴールデン・トライアングルの 一角と言えば思い出して頂けるかも知れません。
昨今までこの国の名前=麻薬でした…。 残念ながら今でもその名残はあります。日本人の観光客も、 それ目当てで入国している人がいる…否定できない状況です。
前置きはこれくらいにして、 現在のラオスは極めて穏やかな国と言えるでしょう。 中国国境付近のボーテンからウドムサイへ行く林道などは、 弥生時代そのものでした。電気が通っている気配は無く、 人々は布を体に巻きつけ、住居は歴史で習った高床式…。
本当に心が和みます。 彼等が我々の祖先だと言われれば、 自分は納得してしまうかも知れません。 欧米人には分からない、アジアの文化の起源でしょう。
仏教はこんな所にも深く根付いています。 買い物をする→ 相手がお釣りを出せない(細かい持ち合わせなし)→ お釣を遠慮する→手を合わせて拝まれる(笑)。
日本人の年配の方にそっくりな行為です。悪い気もしません。 またラオスの良い所はこれが素の所です。良い意味で商売っ気の ある国では、その国を勉強し、習慣を真似る事で好感を得るでしょう? この国の人は打算的な側面はほとんど持っていないように感じます。
タイに近づくに連れ、 高床式→木製住居→コンクリート住宅と 目まぐるしく変貌を遂げるラオスの町並み。 このようなあからさまな貧富の差がありながら、 ラオスと言う国は笑顔が絶えません…。それは何故か?
それはこの国が仏教を基軸にした 社会主義国家だからではないでしょうか。 経済と言う面では確かに不平等が存在する。 しかし仏教と言う拠り所、 所謂精神的な面においては誰もが平等なのです。
街には寺院が溢れ、小さい頃は資産家の息子も、 都会の息子も、寺院の坊主として暮らしています。 もちろん全員ではありませんが、坊主になる事で学校へ行けるし、 英語やその他外国語を学ぶ機会が与えられる…。
これが資本主義国家だったらどうだったか? 物質的な豊かさを主とするこの考えにおいては、 今のようなラオスの暮らしは不平等にしか写りません。 もしそうなっていたら、この国の精神的豊かさは無かった…。 そんな風に思うのです。
自分は日本と言う国に生まれて良かったと心底思います。 また社会主義国家の理念には賛同できても、 その政策には難点があると言う考えの持ち主でもあります。 しかし自分と違う価値観を持っているラオスの人に、 心が癒されたのも変えがたい事実です。
物質的に豊かになりたい心、 宗教を拠り所に精神的に豊かになりたい心。 人間としてどちらが幸せなのか? そんな事を考えさせてくれる国、それがラオス。
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