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2002年11月01日(金) 万聖節

 半月越しの悩みの種が消えた。
 この2週間彼のことばかり考えていて、擬似恋愛に陥りそうな気分さえした。でももうそれも終わりだ。酒の上での乱行はこの日本では水に流すべきものなのだ。
 既に終わってしまったことはどうしようもないから、後悔しても謝っても消せないから、それならばいっそ開き直ってしまおうか。
 どうせいつまで経ってもこの癖は変わらないだろうし、変える気も無い。だからそれは己の誘いを断らなかった報いなのだ。彼の温度も感触も、何一つ憶えていないのが残念なくらい。
 [哀れね]と己を見る彼女を思い出す。性質の悪い酒飲みの戯言。

 この眠さは何なのか。寝不足なわけでも、熱量が足りないわけでもないのに、この抗い難い睡魔。身体は未だ徴を見せず、これが前触れでないのなら一体何なのだろう。
 肉体の重さが己を縛り、死に程近い眠りへと繋ぐ。

 久しぶりにあの人の日記を読んだ。こうも己の気分を下げるような文章を生み出せるものだと、ある意味関心してしまう。それともたかがこれしきのことで揺らぐ己が不安定なのだろうか。
 この人は時々己に似ていると感じてしまう。この人の理論武装を解いて、何も無い状況にしたら、この人はもしかしたら己に似ているのではないかと思ってしまった。他人に云っても一笑に付されるだろうけれど、確かに何かが似ているのだ。本人はきっと己がこう思っているなんて夢にも思わないだろうけれど。


 好きとか嫌いとかもうどうでもいいから、己のことを抱いて温めてくれる腕が欲しい。接吻けて犯してくれる人が欲しい。


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