ひどく眠かった。全身に血が巡っていないかのように、心までも虚ろで眠かった。何かを考えることさえも億劫に感じる。 怠惰。 動くのも嫌で、人肌に触れながら、人に甘えながら、無意味に時間を過ごした。甘い囁き、誘惑の声、それらに身を委ねてまどろんで、ひどく幸せだった。 束の間で構わないから、誰か己を愛して下さい。