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2002年10月24日(木) 恋愛小説

 どうしてだろう。顔も身体も声もこれほどにも好みなのに、傍に居るとそれだけで苛まれるような気分になる。あの人は時々奇妙なほど浅はかに見え、それなのに非常な深さも見せ、だから脅威なのかもしれない。
 比べることは出来ないけれど、敢えて比べてみるとすれば、あの方は己には全然理解できないのだ。あの方の何もかもが己とは平行なベクトルで進んでいる。そのことが非常な驚きを持つ。感覚は理解できるのだ。似ていると思うこともある。それでも実感としての理解ではない。それは3年という月日の違いなのか、生きてきた重さの違いなのか。
 あの方の何が己を溶かすのか、そんなことはもうどうでもいい。己の恋愛感情に今最も近いということだけが分かる。恋愛感情という名の劣情。

 期待しないでと云いながら、期待させるようなことを云わないで。そんな凶悪な言葉で己を傷つけないで。期待した後の絶望はいつも深く恐ろしいほどだから。


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