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| 2002年10月23日(水) |
嘘偽りの無い言葉なら |
勘違いだったのだと分かった瞬間に、己の所為でそれを本当にしてしまった。ポケットの中の煙草。 言い訳さえさせてくれないのかと云ったら話がしたいとだけ返された。己の心は空虚で、焦りも不安も無かった。あるのはただこれで本当に捨てられるのだという予感だけだった。 己は約束をあげられない。あげられるのはその場限りの口約束でしかない。彼女から奪ってばかりいて、その身体もその心も砕いてくれた何もかもを奪って奪って何一つ返さない。 だから、許さないでほしかった。許してほしかったけれど許さないでほしかった。己が貴女から奪った分だけ、己から貴女を奪ってほしかった。
終幕の予感。幕を引くのは己自身。
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