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またあの肌寒さだ。血が足りていないのだろうか。爪先から指先から失われていく体温を繋ぎ止めるのに必死になる。誰かの体温がほしくなる。
キスシーンに胸が痛むようになったのは何故だろう。 本当のところ理由は分かっているのだろう。己自身のことであるのに奇妙な言い方だ。おそらく理由というよりは契機だからこのような言い方になるのだ。 痛むという表現が合っているかどうかも分からない。針の傷みではない。鈍い痛みではない。形容しがたい、おそらくは痛みと称するだろう感覚だ。 契機は分かっている。理由が分からない。 もう一度彼に接吻たら分かるだろうか。それとも他の誰かにしたらいいのだろうか。
正夢。本気で蒼ざめた瞬間。身体を冷たい汗が流れた。
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