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辛い。こんな感覚は明確に甘えだと思うのだけれど、それでも辛い。
人恋しさに堪えられないこんな夜には、抱きしめてくれる腕が欲しい。苦しいくらいに抱きしめて、何も考えられなくなるくらいに乱れさせて、とろけさせて。
抱きしめるなら女で、抱きしめられるなら男。己は男であり女でありたいと願っている。どちらの性も備えて、どちらの強さも備えて。そう在れたらいいと願っている。 でもそれは寓話の蝙蝠。どっちつかずの半端者。身を翻す卑怯者。
女らしいとか男らしいとかそういう言葉が欲しいわけじゃない。綺麗とか可愛いとかじゃない、曇ることの無い輝き、屈することの無い強さ、それだけを望んでいる。
女とか男とか拘っているのは己の方だ。
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