さくら猫&光にゃん氏の『にゃん氏物語』
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2003年03月22日(土) にゃん氏物語 紅葉賀09

光にゃん氏訳 源氏物語 紅葉賀09

お昼になって 二人とも殿上に参内した 落ち着いてすました顔の
源氏を見て頭中将もおかしくてたまらないが 自分も蔵人頭として
公用の多い日だったから とても真面目な顔をしている

しかし 目が合うと お互いに微笑んでしまう
誰もいない隙に頭中将がそばに寄り『隠し事は懲りたでしょう』
と言って尻目に見下す
『いいえ それよりも折角来たのに無駄になって帰った貴方が
気の毒です 厄介なものですね男と女は』

お互いに秘密にしようと言い合ったが 何かの折に頭中将はあの晩の
事を話の種に持ち出した 恋しい女でもないのに源氏は罰を受ける
女は引き続き源氏の気を惹こうとして いろいろと色気たっぷりに
恨んだりして見せるが それが源氏には面白みやその気をなくさせる
頭中将は妹にその話はしないで 源氏を困らせる時に使うための手段
としてとっておいた

高貴な身分の妃から生まれた親王たちも 帝の特別の待遇を受ける
源氏には遠慮をしているが 頭中将だけは負けていないと自信があり
何かにつけ対抗してくる

左大臣の息子たちの中で頭中将だけが妹である源氏の夫人と同腹だ
源氏の君は ただ皇子であるというだけ 自分だって同じ大臣
といっても最大権力の左大臣を父として 皇女から生まれてきたのだ
それほど劣らない身分だと頭中将は思う

頭中将は 賢くてどの学問にも通じた素晴らしい人である
この二人はつまらぬ事でも競争して人の話題になることが多かった


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