KENの日記
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2017年10月25日(水) N響・ヤルビのドン・ジョバンニ

モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」全2幕(演奏会形式)

ドン・ジョヴァンニ:ヴィート・プリアンテ
騎士長:アレクサンドル・ツィムバリュク
ドンナ・アンナ:ジョージア・ジャーマン
ドン・オッターヴィオ:ベルナール・リヒター
ドンナ・エルヴィーラ:ローレン・フェイガン
レポレッロ:カイル・ケテルセン
マゼット:久保和範
ツェルリーナ:三宅理恵
合唱:東京オペラシンガーズ

指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
伴奏:NHK交響楽団
2017年9月9日(土) NHKホール

22日の深夜のBSプレミアムシアターでは、クルレンチィスのモツレクと並んでNHK交響楽団の「ドン・ジョバンニ」が放送されました。2017年NHK音楽祭の目玉公演のようです。指揮はパーヴォ・ヤルビ。

N響のホームぺージでヤルビの記事ビデオが掲載されていました。ヤルビは今回N響登壇の前にスカラ座で「ドン・ジョバンニ」を振ってきたとのこと。スカラ座ドン・ジョバンニではベテランのハンプソンがドン・ジョバンニを歌い、2017年の5月から6月に公演がありました。これがヤルビのオペラデビューとなったとのこと。そのために2か月間ミラノで集中的に稽古したことなどを語っています。

ヤルビのドン・ジョバンニは重厚な(重く、ゆっくり)音楽でした。ドイツ的なNHK交響楽団の音で更に重く重心が低かったと思いました。勿論「ドン・ジョバンニ」にはこのような演奏もありだと思いますが。世界一のスカラ座オケを振った後ですからヤルビはNHK交響楽団(シンフォニーオケ)との部隊形式の公演は準備が大変だったと思います。

スカラ座オケメンバーなら「ドン・ジョバンニ」など暗譜出来るくらい演奏しているはずですし、歌手の歌は旋律は勿論、ストーリーの細かいニュアンスまで熟知していることでしょうから。演奏会形式だと舞台上のオーケストラも緊張すると思います。そんな不安は一幕終わり近いツェルリーナのアリア「ぶってよマゼッタ」で的中しました。N響の伴奏が唱と調和せずギクシャクしてしまいました。この有名なアリアではチェロがソプラノに寄り添うように伴奏して欲しかったです。ツェルリーナは日本人の三宅さんが好演していただけに残念でした。歌手ではオッタービオのベルナール・リヒターが最後まで丁寧で気品のある美声を聞かせてくれました。この人は今年春ミラノでもパーヴォで歌ったテナーです。

演奏会形式で指揮者が基本的に「オケ」を向いて指揮するのは難しいだろうと思いました。ピットに入っていれば歌手ともっとアイコンタクトが取れると思います。サンティとかガッティのようにオペラを始終振っているなら兎も角、パーヴォがいきなり演奏会形式でオペラを振ったのは冒険だったと思いました。




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