KENの日記
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2017年10月24日(火) 遅ればせながら「クルレンツィス」

BSプレミアムシアターで放送されて録画しておいたテオドール・クルレンチィス指揮ムジカエテルナの演奏によるモーツァルトのレクイエムを聞きました。

レクイエム ニ短調 K. 626 モーツァルト 作曲
<演奏>
ソプラノ:アンナ・プロハスカ
アルト:カタリナ・マギエラ
テノール:マウロ・ペーター
バス:タレク・ナズミ
ムジカエテルナ合唱団

<管弦楽>ムジカエテルナ
<指 揮>テオドール・クルレンツィス
収録:2017年7月23日 ザルツブルグ・フェルゼンライトシューレの公演

演奏者と指揮者の意図に共感し高度な集中力で演奏していることが歴然としている演奏で滅多に出会えない稀有の名演奏だったと思いました。オーケストラの実力は確かで高度な合奏力を有しています。しかし最大の魅力はオケ一人ひとり、コーラスの一人ひとりがクルレンチィスの音楽に全身で浸っていることです。

この日の演奏会の演奏以外の特色は、ラクリモーサの後直ぐに「アーメンフーガ16小節」が演奏されたことです。このフーガの断片はラクリモーサの終盤の「アーメン」の音楽だと考えられているようですが、今日はジュスマイヤーの補填でラクリモーサを終え、アーメンフーガはラクリモーサとは別に16小節だけ演奏されました。またクルレンチィスは終演後1分近い沈黙の時間を作りました。会場の観客もそれに従いホール一杯に静寂の時間が流れました。その後熱狂的な拍手喝采が続きました。

遅ればせながら「クルレンチィス」の略歴を調べました。

1972年2月ギリシャのアテネに生まれる。現在45歳。(参考:同じギリシャアテネ出身のバイオリニストのカヴァコスは1967年生まれの49歳)。ギリシャで音楽教育を受けた後サンクトペテルブルクで「イリア・ムーシン」の指揮を学ぶ。(ムーシンの弟子としてゲルギエフ、ベルリンフィルに決まったワシリー・ペトレンコなどが著名)その後、ノボシビリスク国立歌劇場を経て現在ペルミ国立歌劇場の音楽監督となっている。今日演奏した「ムジカエテルナ」はペルミ歌劇場の演奏者で構成される交響楽団と合唱団と思われる。

ノボシビリスク、ペルミがどういう場所か想像ができないのですが、両都市ともシベリア鉄道沿いにあり主要駅となっているようです。ペルミはモスクワから1437km、ノボシビリスクは更にペルミから1906km東に行った場所にありモスクワから3343kmの場所にあるようです。ペルミはウラル山脈の西山麓に、ノボシビリスクはウラル山脈の東側にあります。ノボシビリスクは人口140万のロシア第3の大都市で、ペルミは人口90万強のロシアでは12番目に大きな都市です。

ペルミは決して大都市ではないのですが、ペルミ歌劇場はサンクトペテルブルグ、モスクに次いで歴史のある歌劇場だそうです。その歌劇場はモーツアルトのポンテ3部作を得意としているようですのでモーツアルトではオペラも期待できます。とにかくロシアの演奏家(歌手・オケ奏者・バレエダンサー)の輸出国ですから、このペルミ歌劇場から世界的スターが生まれることは十分期待できます。




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