KENの日記
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2005年04月03日(日) ジャイナ教寺院

私のアパートから少し離れていますが歩いていける距離のところにジャイナ教寺院があります。「地球の歩き方」にも載っているし、ムンバイの綺麗な湾を見渡せることから、外国人観光客が多く訪れる寺の一つです。


ムンバイのあるマハラシュトラ州には、インドで最も多くのジャイナ教徒がいるのだそうです。そういえば、街中でジャイナ教寺院をよく見かけます。私のアパートに近いジャイナ教寺院は小さいですが、クラフォード市場の北側にあるジャイナ教寺院は大変立派です。大理石に細かい彫刻を施していて、かなり細かな細工が施されています。


ジャイナ教に関する書物は少ないのですが、最近入手した本をちびちび読んでいます。その本では、古代インド(つまりインダス文明)の宗教がジャイナ教であったのではないかと言っています。


巷間、ジャイナ教は仏教と同時期つまり紀元前6世紀頃に、マハービラによって始められたとされますが、マハービラはブッダのように自ら悟って教えを広めたということではなく、以前から信仰されていた宗教の拡大に努めた人らしいのです。ジャイナ教寺院には、マハービラの像(ブッダ像に似ている)がありますが、仏教とは生い立ちが全然違うのかもしれません。


古代インダス文明の遺跡(ハラッパとかモヘンジョダロ)からは、ジャイナ教と類似するような宗教遺物がでているのだそうです。インダス文明の宗教がヒンズー教であったとする説は否定されていて、ヒンズー教は北からの侵入者のアーアリア人がもちこんだ宗教であったようです。


ヒンズー教(バラモン教)の菜食主義と、ジャイナ教の完璧な菜食主義がどこで繋がるのだろうと不思議に思っていたのですが、北からの進入した「アーリア人」が、土着のインダス文明の完璧な菜食主義を取り入れたのかもしれません。とにかくジャイナ教では、命を大切にし、自分をコントロールすることが最も重要とされているのです。


マハラシュトラは、アーベンドカールの影響で仏教徒が多い州でもあります。さらに、ムンバイはイランから渡ってきた人々の末裔のゾロアスター教徒の中心地でもあります。さらに、イスラム支配の影響が少なかったとはいえ、多くのイスラム教徒が住んでいます。


インドのイスラム教はヒンズー教と共存していますが、それはイスラムシーフィズムによるものらしいです。ムンバイの観光名所(遠くから見るのがベター)の「ハジアリ」はイスラムの聖人の墓なのです。偶像崇拝を禁ずるイスラムで聖人の墓を崇拝するインドのイスラムは非常に興味深いのです。とにかく興味が尽きない街です。


因みにムンバイの地図の凡例ではヒンズー寺院、仏教寺院、ジャイナ教寺院、シーク教寺院、ユダヤ教(シナゴーク)、拝火教寺院、キリスト教教会のマークが別々に示されていて、これらのマークが町中至るところにあるのです。




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