| 2004年10月11日(月) |
ビクトリアターミナス |
ムンバイに数多く残っている「ネオゴチック建築」の中でも、もっとも有名な建物です。イギリス人の建築家「フレデリック・ウイリアム・スティーヴンス」の設計・施工により、10年の歳月をかけて1888年に完成したのだそうです。規模をさることながら細部の装飾の凝り方はすごいです。
インドの伝統的な絵画に「細密画」がありますが、そういうものを見ていると、細かいデザインを無数に並べる構図は一般的に好まれているのではないかと思われます。「ネオゴチック建築」においても、無駄とも思える細部の細工が目を引きますが、そうした方向はインドの人達の気持ちに合致しているように思えます。
この建物は今年三月に「世界遺産」に指定されました。こうした素晴らしい建物を上手に保存してほしいものです。ビクトリアターミナス駅は、現在でもセントラル鉄道の終着駅として立派に活躍しています。この駅の界隈は土産物や日用品を売る人達と乗降客とで毎日ごった返しています。
ムンバイにはこの「ビクトリアターミナス」の他にも、大規模な「ネオゴチック建築」の建物が沢山残っているのですが、観光名所にはなっていません。観光とか人に自慢するとか、ムンバイの人達はあまり考えていないように思えます。まさに、生活の一部にそういう場所があるだけという感じです。
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