KENの日記
 < 過去  INDEX  未来 >

2004年09月19日(日) JRD−TATA生誕100年記念音楽会

実は今年2004年は、インドのTATA財閥の総帥であった有名な「JRD−TATA」の生誕100年にあたります。TATA財閥の系譜では「ジャムシェドジーTATA」のように、鉄鋼産業を興して「ジャムシェドプール」として都市の名前になっている人もいますが、この「JRD」も非常に有名です。「JRD」はインドの自動車産業、航空産業、ホテル産業を作り上げました。


ムンバイ市内にプリンスウェールズ博物館というのがありますが、そこには「JRD−TATA」が残した膨大なコレクションが展示されています。それこそ世界のあらゆるものを集めた感じです。「JRD−TATA」は名経営者である一方、非常にインドのことを考えた人でした。学校建設とか奨学金創設のような比較的直接的な支援の他に、美術・工芸の膨大なコレクションを後世に残しているし、さらに、音楽・演劇などのためのホールを建設しています。


今日の19日は、その「JRD−TATA」の援助で建設された芸術ホールで、JRD生誕100年を祝うコンサートが開かれました。ホールはホテルから非常に近いので聞きに行ってきました。


演奏は、前に聞いた「ムンバイ室内合奏団+エキストラ」です。でもエキストラがやたら上手いようで、今日は非常に聞き応えがありました。パンフレッドの説明では、イギリスと「ゴア州弦楽合奏団」のメンバーが賛助出演したとのこと。イギリスからの応援は「ブリティッシュカウンスル」の副管長がオーボエで参加しているとのこと。結構上手いです。


演奏曲目は以下のとおりでした。
ドボルザーク:スラブ舞曲 第一番
ブルッフ:コール・ニドレイ(チェロ独奏:アリステア・マックリー)
ヨハンシュトラウス(Jr):ベニスの夜(序曲)
(休憩)
ブラームス:交響曲 第三番 3楽章
ウィニャクスキー:バイオリン協奏曲 第二番(独奏:ファハド・ビルモリア)
アンコール:クライスラー「愛の夢」


まず、コール・ニドレイのチェロはすばらしく上手でした。この方の演奏は、先週土曜日にディナーコンサートを聞いたのですが、その時の印象と同じで、非常に丹精な音楽なのです。音も何ともいえなく暖かい音で、それでいて力強いのです。熱演タイプではなく、演奏姿勢は終始基本どおり。本当に教科書とおりという感じです。こういう人に教えてもらうといいだろうなと思いました。


他の管楽器の入る曲も、エキストラの威力で聞き応えがありました。オーボエ・フルートがしっかりしていると「旋律」が安定するので、それだけでしっかり聞こえます。さらに、クラリネット・ファゴット、ホルンが上手い。ブラームスの有名な3番の3楽章は、チェロパートにアリステアさんが参加しているし、ホルンソロも上手いので、予想外に面白かったです。


ウィニャクスキーのソロを演奏された「ファハド」さんは、インド出身で中部
ドイツ室内合奏団のコンサートマスターを務めているそうです。しっかりした旋律線を表現していました。しかし少し硬い感じがしました。


会場の芸術ホールは1000人以上入るホールで「冷房付」です。響きも柔らかくて音楽会には大変よいホールだと思いました。そして、ムンバイ室内合奏団もエキストラを揃えて、非常に聞き応えのある演奏を披露していました。


実は先週のディナー音楽会の時に、ムンバイ室内合奏団の方と少し話して、しばらくして落ち着いたら私も参加させてくれないかと頼んでおいたのでした。いつになるかは未定です。


「TATA」家に戻りますが、この家系は「パルシー」なのです。まったく偶然で大家さんが「パルシー」の方だったので、色々情報をもらっています。今日の音楽界も、先週のディナー音楽界も、実は「パルシー」の方が大勢いらっしゃいました。この関連で、インドの生活がこれからどうなるか一つの楽しみです。




Ken [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加