| 2004年09月13日(月) |
あたりまえの発見。露天レストラン |
会社の事務所は少し古いですが、オフィス街の真中のビルの中にあります。10階建て以上のビルが密集していて、昼間の就労人口は非常に多いはずです。そして私の住んでいるホテル(当座の宿舎)からも遠くなくて、徒歩15分位です。
土砂降りの雨の日や、夜遅くなっ時以外はできるだけ歩いて通っています。流しのタクシーを拾って正規にメータで走ってもらうと、最低料金の13ルピーです。日本円で33円位です。でも近すぎて乗車拒否に度々会います。
さて、ホテルからオフィスまでの道は少し曲がりくねっていますが、車道の両側に歩道がついています。そして、その歩道は、およそ半分の幅位を様々な露天で占拠されているのです。一番多いのが「食べ物屋」です。有名なチャ−イを売る店、「揚げ物」を売る店、ハンバーガー風のパンを売る店。衛生的とはいいがたですが、そこは会社勤めの人々の格好のレストランなのです。
朝、少し木陰になった露天で、新聞を読みながら「チャーイ」と軽い朝食を取っているビジネスマンを良く見かけます。昼ご飯時の時間帯は大混雑です。夜の夕食を食べている人達がいます。インド有数のビジネス街ですから、相当な数のビジネスマン、ビジネスウーマンが居るはずなので、そうした多くの客相手にこれらの露天は成り立っているのです。
少し前、オフィス近く、またホテル近くに「レストラン」が無くて困っているような事を日記に書いたのですが、実はこういう「露天レストラン」は私のレストランの定義からは外れていました。こういう安くて、土地の人にとってはとても「美味しい」レストランがあるのですが、西洋風のエアコンの効いた高価なレストランができるはずが無いのです。(新発見)
今、ホテルの直ぐ近くで「ショッピングセンター」が建設中です。お洒落な店がオープンしそうですが、そこにキレイなレストランができないかと期待しているのは、ほんの少数の外国人みたいです。ローカルの人と話すと、キレイな建物の中にあるレストランはそれだけで料金が高くなる。安くて美味しい露天があるのに、何故あえてそんなところに行く必要があるのかというのです。開発・近代化イコール料金値上げだと喝破しています。
話は変わって「シンガポール」に関することですが、とても羨ましく、どんなシステムになっているのか知りたいと思っていることがあるのです。それは、美味しいフードコート(衛生的だと思います)が至る所にあって、外国人でも美味しい色々な料理が食べられるのに、不思議なことは値段が高くないことです。
アジア通貨危機の直後、シンガポール全体で、シンガポールの国の有り方を検討したことがありました。それは、シンガポールのような国で、物価がどんどん高くなってしまっては、サービス拠点としての「国の将来」がない。経済発展と物価上昇抑制をどのようにバランス取るかという課題でした。
そして、その後7年・8年経ちましたが、シンガポールはすばらしい経済発展を遂げながら、そして生活の質も格段に向上しながら、物価はそれほど上がっていないのです。食事に限らずタクシーや電車も安いです。その代わりゴルフをしたり、自動車を購入するのは非常に高価なようですが。
私の希望は、建物の中の冷房の効いたレストランでなくてもいいから、シンガポールの「露天のフードコート位」を目指してもらえないかということです。水くらいは水道水を使って欲しいと思います。そうすればレストラン不足は一挙に解消するでしょう。
もっとも、そんなことを言うより、体内の大腸菌を鍛えて、何でも食べられるようにする方が、ずっと早いし安いといわれるのでしょう。インドの多様性の中で生きていくには、完璧に割り切って、全て「金」に物を言わせて安全に暮らすか、頑強な身体に鍛え、喧嘩にも強くなって逞しく生きるかどちらかで、中途半端な過ごし方は怪我をしそうです。一人では寝込む訳にもいかないので、つい慎重になってしまいます。
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