きょうはクリシュナの誕生日だそうで、インド全国で変ったセレモニーが行われました。
まずクリシュナですが、ヒンズー教の神様の中でも人気があるひとりです。マハーバーラタの中で、悩むアルジュナに教えを説く部分があるのですが、ここが有名な「バガバット・ギーター」なのです。ヒンズー哲学の一つの象徴的な物語です。
さて、そんな非常に賢いクリシュナですが、赤ん坊の時は非常に「やんちゃ」であったのです。クリシュナはミルクから作ったチーズのような「カード」という食べ物が大好物で、家の中のカードを捜して回っては食べてしまったのでした。
そこで、母親がカードの入った壺を家の中の高いところに隠してしまったのでした。身体が小さいくて高い所に届かないクリシュナは、友達を呼んできて人間ピラミッドを作ってもらって、その上に上ってカードの入った壺を手に入れたのでした。
という話から、今日はインド中の街中で高いところに「カード」の入った壺が吊り下げられ、それを手に入れるために、勇敢な少年達によって、何層も人垣による高い人間ピラミッドを作られたのでした。
私の事務所の入っているビルの外の道では、道の両側の高い電柱からロープを渡して、道の真中の上空(約8m位の高さかしら)に壺が取り付けられていました。この壺は、成功するたびに取り替えられ新しいカードが詰められるようです。この位の高さの壺だと、獲得賞金5000円位だそうです。ここでは四層の人間ピラミッドが作られていました。
新聞に載るような大規模なものは、7層ピラミッド(成功賞金20万円程度)、8層ピラミッド(成功賞金50万円程度)というようなものになります。ムンバイには狭い通りを挟んで、8階から10階立てくらいの古いビルが密集している地域があり、そういう場所では高いところに壺を吊り下げるのが容易なのです。
今日は、大勢のおそろいのユニフォームを着た少年達がトラックに乗って、賞金稼ぎのために街じゅうを走り回るところを見る事が出来ました。
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