| 2004年07月31日(土) |
ビクトリアターミナス駅 |
今年のユネスコ会議で、熊野三山神社や熊野の参道などが新たに世界遺産に指定され、NHKでは早速、特集番組などを放送していましたが、同じ会議において、ムンバイの「ビクトリアターミナス駅」も世界遺産に指定されたのでした。
ビクトリアターミナス駅の建物はムンバイにあるネオゴチック様式の建物中でも代表的なものです。非常に雄大であり、そして非常に細かい装飾が施されています。今日土曜日の雨の小ぶりな時期を見計らって行って見ました。
ビクトリアターミナス駅はボンベイの中央駅です。長距離列車と近郊列車の両方が発着します。土曜日だからでしょうか大きな荷物も抱えた人達や、通勤客でごったかえしていました。しかし、私は、朝晩の通勤時間帯、休日などの池袋駅を知っているので、人の多さはそれほどびっくりしませんでした。
インドの鉄道駅は切符が無くてもホームまで入れます。長距離のディーゼル機関車と客車と近郊の電車を見ることができました。近郊電車では日本には無い「コンパートメント方式」を目の当たりにして感慨が深かったです。
というのも、スリランカに関する英語の本を読んでいて「ひとつの客車には三人ずつ座れる座席4つからなる客室が幾つかある」という表現に出会い、どんな列車か想像がつかなかったでした。スリランカでもフォート駅まで列車も見に行きましたが、そんな構造の列車は無かったのでした。
ところが、今日まさしくその表現どおりの列車に出会えたのでした。実は、インドの列車は幅がとても広いのです。真中の通路の両側に、3人掛けの椅子が進行方向に向いて直角に二つずつ向かい合わせに並んでいました。そして、それら4つの椅子がひとつのコンパートメントを形成しているのです。
この形式はとてもユニークだと思いました。かつての日本の長距離列車は二人ずつが向かい合う「4人」の世界を形成しました。インドの列車は、まず向かい合う6人が世界を形成し、同じコンパートメントの12人がもうひとつの世界を形成するのです。さらにコンパートメントが4つ連なって一台の客車になるです。家族が多いととても便利だし、多くの友人との旅などではとても面白そうです。因みに最後尾の車両は女性専用車両でした。埼京線より歴史は古そうです。
駅の外観はというとあまりに大きいので少し離れないと全容がつかめないのです。従って駅を出て、駅から続く通りから写真を撮ってきました。壮大な建築を見ていて、音楽のことを思い出しました。
それは世に言われる「名曲」のスコアをコンピュータで分析し、名曲の秘密を探ろうとした試みのことです。結局、名曲の秘密は分からなかったのですが、名曲といわれる曲にはひとつの共通点があったのだそうです。
それは「バランスがいい」という事だそうです。長い音符、中庸程度の音符、短い音符、高い音、中音域の音、低い音、和音の数、進行具合、音の強・弱などに適当な多様性があって、それでいてバランスが取れている。
ビクトリアターミナス駅は、正しくその表現にぴったりです。壮大で、きめ細かい。見るものを圧倒します。実はムンバイには、ビクトリアターミナスに匹敵するような建物が沢山残っているのです。
|