KENの日記
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2004年04月08日(木) イラクの難しい問題

バグダット陥落から1年が過ぎようとしていますが、イラクの情勢は混迷を深めるばかりです。今日8日夕方、日本人3人がイラクの反米勢力に誘拐されました。犯人達は、サマーワに駐留する自衛隊の3日以内の国外退去を要求しています。この事件に関していろいろ考えることがありました。


1.米・スペインとの違い。

この3月にスペインのマドリッドでは列車爆破テロがあり、200人以上の死者がでました。ニューヨークの「9.11テロ」も、まったく予告のないものでした。今回は「自衛隊の三日以内の退去」ということで、いきなりの攻撃ではありません。イラクの人たちの対日感情は米・スペインへのそれとは少し違うみたい。この状況を考えると、イギリスに対するテロ活動が少ない感じがします。それともイギリスのテロ対策が万全なのかしら。

2.政府の準備が片手落ち。

サマーワに派遣された自衛隊は相当な準備をしていったのだと思います。「破傷風」の予防注射が品不足になっているのですから。それに派遣される隊員もかなりの覚悟ができているはず。政府の決めた任務です。何かあったら政府が保証しまし、家族らも最悪の状況を想定して覚悟をしているはずです。これに対して、民間NGO、フリーのジャーナリスト等の邦人に対する政府の配慮が足りない気がします。そういう方達の一部は、現地の情勢をあまく考えたり、危険な冒険主義に陥ったりしますから始末が悪いのです。そういう人のことを政府がきちんと管理しないで、今回のような事件が起こると、やはり政府が非難されるのです。そして政府が困るのです。出国する際にキチンとチェックして行かせないとか、死んでも文句は言わないとか誓約書を書かせるべきです。
そうしないと困るのは結局政府です。その対策には貴重な税金が使われます。
本人も家族もこうした状況を十分考えるべきです。

3.「支援」の方法

自衛隊の人道支援・復興支援が、自衛隊よる水の供給とか、学校設備の修復だそうです。こういうことを、完全武装した自衛隊員がイラクに派遣されて真面目にやっているのです。私にはアメリカに対する「免罪符」獲得活動としか見えません。緊急に水が必要なら大量のペットボトルを手配して配ればいいです。設備の復旧が必要なら、地元の業者を雇えばもっと喜ばれます。どうしてもアメリカに「態度」で示したいなら、一時的にのそういう「格好」はするものの、直ぐにやり方を変えるべきです。


一方、NGOの人も考えないと。現地の生活に慣れていない日本人が食料を現地で配ってどうなるのでしょう。特に個人の活動は限界があるし、危険すぎます。私には冒険主義者の自己満足にしか思えません。そういう人の救援のために多額の税金が使われるのはどうかと思います。


4.日本の対応

アメリカの開戦に賛成してしまったのは過去のことだから仕方ないとして。
大量破壊兵器が見つからないこと。アメリカがイスラムの人達の大切にしているモスクを攻撃したことで、日本政府は立ち止まって考えるべきだと思います。このままだと、日本はアメリカのどんな行動でも是認することになってしまいます。そういう態度はイラクの人達から、また世界の他の人たちから尊敬されません。


自衛隊派遣に伴っては、安全対策として日本国内の警戒を強め、邦人のイラク渡航を制限する必要があります。それと同様に、アメリカに忠告するに際して、経済面の摩擦、食料品の不足などのアメリカからの制裁を覚悟するように国民にお願いするべきです。安保問題も同じですが、そろそろ日本も大事な覚悟をすべきだと思います。




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