| 2003年04月09日(水) |
読書「ダルタニヤンの生涯」 |
読書「ダルタニヤンの生涯」 -史実の三銃士-佐藤賢一 岩波新書
初めてこの本のタイトルを見た時は「ふ〜ん三銃士か」で終わり読みたい!という意欲は特別にわかなかったのですけど3月に見た宝塚の「傭兵ピエール」の原作者だと思い当たって読み始めてたら予想外以上に面白く、しかも今までよりハッキリとブルボン王朝の歴史の流れがわかりました。
今までもいろんな本を読んでなんとなくわかってるような気がしたのですけど、これほど理解できることのポイントはダルタニヤンという実在の人物の出世物語で、彼の人生の終わりまでじっくりとなぞっている部分で、彼が苦難の末に、どんどん出世していく様子に、こちらまでわくわくしてしまう。
今の世の常識から考えると信じられない、役職をお金で買うという事や聞いただけでは重要に聞こえない「テュイルリー鳥舎管理隊長」とかそのポストを売って、近衛隊長に就いたとか、とにかく涙ぐましい努力で出世している。デュマの名作のイメージと違う、というより楽屋裏を見るような感じでしょうか。生きるため、出世する為に現実的な結婚をしたあげくに永遠の別居ということも書かれています。
そうはいっても史実のダルタニヤンも騎士道精神のある、立派な人物だと証明するエピソードが多くあり、これらのエピソードが作中で1番楽しめる部分だと思う。 時の宰相・マザランがフロンドの危機で迎えたピンチの時もひたすら忠節を尽くし、役を全うするし、親政を望むルイ14世に追い落とされた財務長官フーケの警護を任された時の行動はまさしくイメージ通のダルタニヤンでした。ちなみにこのフーケを逮捕する件はルイ14世という人物の造詣もわかって、今までのルイ14世像とピッタリと一致して更に楽しめます。 60歳になっても現役で銃士隊長として指揮をとり、ルイ14世から厚く信頼されたダルタニヤンの生涯は名作の主人公になるべく息づいた人物なのでした。
終わりになったのですけど、デュマの「三銃士」には種本があった、ということで史実、種本、デュマの「三銃士」とそれぞれのダルタニヤンがいるのですけど、それでは他の銃士たちアトス、ポルトス、アラミス。そしてトレヴィル隊長やミラディはどうかといいますと・・・それはこの本で確かめてみてください。
やっと並行読みの本が減ってきましたが、佐藤賢一さんの本が面白いと判ったので、「傭兵ピエール」や出世作「王妃の離婚」も読みたくなってしまいました。そしてこの際フランスの歴史をもっと読みたいし、並行読みはまだまだ続きそうです。
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