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| 2004年03月27日(土) ■ |
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| マキャモン浸りだが、オースターの話も・・・ |
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先日、買おうかどうしようかと、うだうだ悩んでいた、マキャモンの本が届いた。本が届いた時点では、今日はオースターの新刊の話をメインに書こうと思っていたのだが、図書館で借りていたマキャモンの本(今日届いたものと同じ)を早速返しに行ったところ、また別のマキャモン作品(『マイン』)を見つけてしまい、性懲りもなく借りてきてしまったので、もうすっかりマキャモンに浸ってしまって、オースターの新刊など、意識外になってしまった。
読了した『スワン・ソング』も感動的だったし、ホラーも嫌いじゃないかも・・・というか、これはホラーなんだろうか?たしかに得体の知れないデーモンのような生き物とか、凄惨なホロコーストの場面とか、ホラーであるとする描写は十分すぎるほどなのだが、ホラーというのは、だいたい悪が勝つものじゃないのか?と思う。マキャモンの作品は、邪悪なものが完全に滅びるとは言い切れないまでも、最後には正義や聖なるものが勝利して、ハッピーエンドになるのだから、後味がスッキリしている。だから私はマキャモンをホラー作家とは思わない。
「キング、クーンツに続く第三のホラー作家」といわれるマキャモンだけれど、キングの世界ともクーンツの世界とも違って、作品に何か人間的な温かみを感じて、マキャモンていい人なんだなあとしみじみ思ってしまう。キングなどは、邪悪なものを書かせると素晴らしいのだろうが、正義とか聖なるものの描写が下手だ。というより、合ってない。無理に善を描こうとすると、どこかぎこちなくて変なのだ。だから、キングは邪悪なものを描くことがテーマなのだろう。しかしマキャモンは、邪悪なものを描きながらも、テーマは善なるもの、聖なるものについてなのだ。だからいつもどこかに、光が射しているのだろうと思う。
さて、一応オースターの新刊についても。 Amazonのレビューには、「対応する原書が存在しない」と書かれているが、「この本丸ごと1冊」という意味ではそうだ。しかし、最初のほうは 『The Red Notebook』、『Why Write?』、『Hand To Mouth』と、対応する原書が存在しているエッセイの一部が収録されている。ちなみに、この3冊は未翻訳。
オースターはこのところ何冊か、一般から寄せられた「トゥルー・テイルズ」を編集しているが、この本は、そういうものとはまた別で、オースター本人が体験した「トゥルー・ストーリーズ」ということらしい。
〓〓〓 BOOK
◆読了した本
『スワン・ソング』(下)/ロバート・R・マキャモン 内容(「BOOK」データベースより) 7年前までミズーリ州と言われた地に住む、スライ・ムーディの家を訪れた旅芸人の中に「ヨブの仮面」と呼ばれる腫瘍に顔を覆われた少女がいた。少女が触れたリンゴの木は、またたく間に生命を取り戻した。木に刻まれた彼女の名前は、S…W…A…N。"輪"に浮かぶ掲示に導かれるシスター達、ロシアの来襲を妄想し狂気の軍隊を進軍させるマクリン大佐とローランド、復興に向かう人びとの心を再び荒廃と狂気に引き戻さんと暗躍する「深紅の目の男」、あらゆる者たちの運命の糸が、次第にスワンのもとにより集められていく。世界の再生と破滅をかけた聖と邪の激突の行方は…。ホラーの枠を超えたマキャモンの現代の聖杯伝説はここに円を閉じる。 ※画像は原書 『Swan Song』
◆Amazonから
『トゥルー・ストーリーズ』/ポール・オースター \2000 単行本: 268 p ; サイズ(cm): 182 x 128 出版社: 新潮社 ; ISBN: 4105217089 ; (2004/02/26) 出版社/著者からの内容紹介 これらはすべて本当の話―― 遭遇した作家自身さえ信じられない、驚くべき現実の物語。 娘が世界貿易センターの下を通過して一時間と経たないうちに、ツインタワーが崩れ落ちた――作家志望で職を転々としていた一文なしの日々から、9・11まで。最悪の日々の中に、救いのように訪れた大きな偶然の出来事、祝祭のように出会った奇妙な人々、理解を超えた場所。小説以上に面白く、感動的な、自伝的エッセイ。
『遙か南へ』/ロバート・R・マキャモン \819 文庫: 589 p ; サイズ(cm): 148 x 105 出版社: 文芸春秋 ; ISBN: 4167218615 ; (2000/01) 内容(「BOOK」データベースより) はずみで人を殺してしまったヴェトナム帰りのダンは、余命いくばくもない身ながら逃避行に出た。道連れは顔半分に痣のある美少女に、ダンを追う三本腕の賞金稼ぎとプレスリーのそっくりさん。アウトサイダーにされてしまった者たちは、癒しを求めてひたすら南へ向かう。温もりと恐怖が混ざり合う不思議なロード・ノヴェル。
『ミステリー・ウォーク』(上)/ロバート・R・マキャモン \860 文庫: 388 p ; サイズ(cm): 148 x 105 出版社: 東京創元社 ; ISBN: 4488558011 ; 上 巻 (2003/10) 内容(「BOOK」データベースより) ビリー・クリークモアが母から受け継いだのは、死者の魂を鎮める能力だった。だが、人々は彼に冷たく、疑いに満ちた目を向ける。そんなある日、伝道者ファルコナーが、治癒の奇蹟を起こす息子ウェインを連れて町にやって来る。だが、ビリーが伝道集会で見たものは…?『少年時代』『遙か南へ』を経て、久々の長編『魔女は夜ささやく』に至るマキャモン文学の源流、待望の復活。
『ミステリー・ウォーク』(下)/ロバート・R・マキャモン\860 文庫: 375 p ; サイズ(cm): 148 x 105 出版社: 東京創元社 ; ISBN: 448855802X ; 下 巻 (2003/10) 内容(「BOOK」データベースより) 伝道者ファルコナーの迫害により、故なき制裁で重傷を負った父。ただ耐え忍ぶ母。二人を残しビリーは旅立つ。だが、邪悪なる影はいたるところに潜む。さらに、教団を継いだウェインはビリーを悪魔の化身と信じ、彼の命を狙う。だが、二人は知らぬまま、互いに運命の糸を手繰り寄せていた…。善と悪の対決を少年の成長に託して描く幻の傑作ダーク・ファンタジイ、感動の終幕へ。
◆図書館(四谷)
『マイン』(上)/ロバート・R・マキャモン 内容(「BOOK」データベースより) "ミスター・モジョは起きあがった。あの女はいまも涙を流している…"ローリング・ストーン誌でこんな広告を目にしたとき、"神"からのメッセージだとメアリーは信じた。あの60年代の闘争の日々、リーダーのロード・ジャックは光り輝く"神"だった。その彼が自分を呼んでいる。あのとき彼に捧げることができなかった"供物"を求めて…。
『マイン』(下)/ロバート・R・マキャモン 内容(「BOOK」データベースより) その"供物"は、健やかな男の赤ん坊でなければならない。盗んででも、邪魔だてする者は撃ち殺してでも、指定された日までに届けねば。盗んだ女、盗まれた女、双方にとって赤ん坊はマイン(わたしのもの)だ。それは傷つき破れた60年代へのこだわりなのだ。ひた走る女と追いすがる女の血みどろの争いに、奇妙な共感が交錯する。 ※画像は原書 『Mine』
『妖魔をよぶ街』(上)/テリー・ブルックス 文庫: 333 p ; サイズ(cm): 148 x 105 出版社: 早川書房 ; ISBN: 4150202680 ; 上 巻 (1999/12) 内容(「BOOK」データベースより) イリノイ州ホープウェルは、どこからみても平凡な田舎町。だが実は、この町の公園には秘密があった。魔力を代々受け継ぐ少女ネストは、公園に住む森の精とともにその秘密を守る仕事を行なっている。ところが、最近公園のようすがおかしい。同時に町の中にも不穏な雰囲気が立ちこめてきた。不安を抱くネストの前に、見知らぬ訪問者が次々と現われる…『魔法の王国売ります!』のブルックスが贈るモダン・ファンタジイ。
『妖魔をよぶ街』(下)/テリー・ブルックス 文庫: 335 p ; サイズ(cm): 148 x 105 出版社: 早川書房 ; ISBN: 4150202699 ; 下 巻 (1999/12) 内容(「BOOK」データベースより) 平和だったホープウェルの住人の心を惑わしているのは、どこからともなく現われたデーモンだった。公園に住む魔物を解きはなち、世界を支配しようとする彼に対し、ネストは、デーモンを追って町にやってきた"言霊"の騎士とともに戦いを挑む。ところが、デーモンの真の狙いは別にあることが、しだいに明らかになってきた。こんな田舎町になにが?彼の邪悪な目的をはかりかねるネストに、デーモンの魔の手が刻々と迫る。
●ビデオ『勝利への旅立ち』/ジーン・ハックマン
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