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2004年03月04日(木)
「詐欺」と「自殺行為」

今年の密かな目標に掲げていた、ジョン・チーヴァーの短編をやっと読み始めた。と言っても、60数編が収められている分厚いやつではなく、ずっと前に買っておいた『ジョン・チーヴァー短編集』だ。これって、日本語でタイトルが出ていたので翻訳書かと思ってオーダーしたら、原文だった。( ̄∇ ̄;)!!

チーヴァーの翻訳は、あちこちのアンソロジーの中から探さないと、現在単独のものは入手できない。でも青山先生が、その60数編が収められた分厚い『The Stories of John Cheever』を翻訳されるというニュースを耳にしたので、とても、とても、嬉しい。授業の最後に、「そのうち、ぜひともチーヴァーを訳したい」とおっしゃっていたので、遂に念願かなってというということだろうか。ともあれ、私も早く原書を読んでおかなくては!

で、今日はほんの2ページほどしか読んでいないのだが、チーヴァーを読み始めてよかった!と思ったことがある。今日読み終えた『ガールズ・ポーカー・ナイト』に、体重の話があって、1ポンドって何キロだっけ?と辞書を引いたが出てこない。余談だが、この本の主人公もチーヴァーの『Oh, What a Paradise It Seems』(現在、Amazonでは原書も入手できない)を読んでいる。


・・・彼、わたしに言ったのよ、もう少し痩せないと浮気するぞって。わたし、泣きながら眠って、その翌朝、ここへ来たの。そして52ポンド減量したのよ。

・・・わたしは兄に、ジムで会った女性のことを話した。兄は、ロナルドがそう思うのも無理ないと言う─兄自身、太った女とベッドをともにする気にはなれないと。兄は、優しくて思いやりがあって忍耐強い人間だ。わたしは驚いた。
「太ってるって、10ポンド・オーバーくらい?それとも100ポンド?」彼は訊く。
「ううん、40とか50とか、そのくらい」
「だったら、おれに言わせりゃ詐欺だな」兄は言う。(中略)「それに、そんなに太ってたんじゃ、その女(ひと)だって自殺行為じゃないか」

(「ジルとリチャード」─ジル・A・デイヴィス『ガールズ・ポーカー・ナイト』より)


というわけで、何キロ減量したの?どれくらい太ったら詐欺なの?と、なんだか他人事のような気がせず、妙に気になったのだが、なんだ、辞書には載ってないのか・・・と思っていたら、チーヴァーの作品の冒頭にも体重についての記述があって、私が大きな間違いを犯していたことに気づいた。

ポンドは「pound」である。私は辞書で「pond」を調べていたのだ。何もチーヴァーに頼ることもなく、すぐに気が付きそうなものだが、しばらくこれに気づかなかった。「池」なんか調べてどうするってのよ。(^^;

ちなみに、1ポンドは何キロか???どうやら私は「詐欺師」で、なおかつ「自殺行為」をしているようだ。気になる方は、ご自分で調べて計算してみてください。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『ガールズ・ポーカー・ナイト』/ジル・A. デイヴィス (著), Jill A. Davis (原著), 米山 裕子 (翻訳)
文庫: 381 p ; サイズ(cm): 148 x 105
出版社: 文芸春秋 ; ISBN: 4167661314 ; (2003/04)
内容(「BOOK」データベースより)
私の名前はルビー・カポーティ。職業はコラムニスト。そろそろ潮時の恋人あり。性格は負けず嫌い。捨て身で売りこんだNYの新聞社に採用が決まり、新生活がスタートしたものの、上司や同僚、ポーカー仲間の女友達との関係は早くも波乱含み!?現代女性の悩みや生き方、本音をコミカル&シニカルに描き、絶賛されたデビュー作。
※画像は原書 『Girls' Poker Night: A Novel』


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