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2002年12月26日(木)
クリスマスの名残り

今更ながらだが、カポーティのクリスマスシリーズ本が届いた。
実際、メインは『The Grass Harp』のほうなのだけれど、ついでにクリスマス本も入手しておいた次第。この本は、何もクリスマスに読まなくても、ずっと手元に置いておきたい本だからだ。

クリスマスシリーズのほうは、昨日も書いたようにすでに翻訳で読んでいて、言うなれば春樹節のカポーティしか知らないわけで、今回購入した『The Grass Harp』を読んで、本当にカポーティは面白いのかどうか判断しようと思ったわけ。

実際『ティファニーで朝食を』も、映画のヘップバーンはかわいいが、ストーリーは?というと、個人的にはそんなに面白いとも思えないからだ。『冷血』が最高傑作であるとするむきもあるが、「文章はいたって簡素である。難しい言葉もあまり出てこない。しかし物理的ではなく、何故か形而上においてこの文章を読むのは困難である」といった書評を見てしまったので、遠慮しておいた。

『クリスマスの思い出』は、淡々とした主人公が何ともいえず切なく、また子どもらしいところもかわいいのだけれど、そのあたりはカポーティ独自のものだろうと思うが、全体の雰囲気は、やはり村上春樹風なのだろうと思う。それはともかく、このシリーズは日本語版のほうがイラストも雰囲気があってよい。それに、この中に入っている『あるクリスマス』は、カポーティ自身の状況を考えれば、絶対に外せないものだろう。

カポーティといえば、どうしてもあの「とっちゃん坊や」的な顔を思い出してしまうのだが、彼はフィッツジェラルドと違い、作家ながら映画で成功した部類。しかし、状況を的確に見極め、映画は小説と違うということにいち早く気づいて、早々に映画界から足を洗ったと聞いている。逆にフィッツジェラルドは、華やかな映画の世界から抜けられず、挫折していった。

作家が映画に手を出す状況は現在も多いが、オースターやアーヴィングが、フィッツジェラルドのようにならないことを祈りたい。どちらかというと、マニアックな映画を作っているオースターのほうが危なそうだが。。。


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから2冊

The Grass Harp: Including a Tree of Night and Other Stories (First Vintage International)/Truman Capote (著) \1301
内容(「BOOK」データベースより)
両親と死別し、遠縁にあたるドリーとヴェリーナの姉妹に引き取られ、南部の田舎町で多感な日々を過ごす十六歳の少年コリン。そんな秋のある日、ふとしたきっかけからコリンはドリーたちと一緒に、近くの森にあるムクロジの木の上で暮らすことになった…。少年の内面に視点を据え、その瞳に映る人間模様を詩的言語と入念な文体で描き、青年期に移行する少年の胸底を捉えた名作。

A Christmas Memory, One Christmas, & the Thanksgiving Visitor (Modern Library)/Truman Capote (著) \1512
A Christmas Memory
ささやかな、けれどかけがえのないクリスマス。

One Christmas
父さんと過ごした最初で最後のクリスマス。『あるクリスマス』の前年、トルーマン・カーポティは父を失っている。触れあうことの少ない父子だった。カポーティ自身、すでに酒とクスリに蝕まれていた。この作品の翌々年、彼はこの世を去る。最後にみる夢、だったのかもしれない。


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