田中真紀子さんが議員を辞職した。 きのうのニュースで知ったとき、やはり、と思った。 あの方は辞職は当然だったと思う。 政治家は有権者に責任を負う以上、その言動にはなんらかの一貫性がなくてはならない。 それが、あの方には、傍目にも明らかにそれが欠けていた。場渡り的な活動の限界だったのだろう。 永田町で働く中で、あの方の話はいろいろと聞き及んでいるが、一般のワイドショーなどで伝えられる評判と、実際の評判とが、これほどまでに乖離している方も珍しい。 マスコミが作り上げた虚像を武器に政治活動を行ってきたわけだが、そのマスコミに最期は足をすくわれた形になっている。なんとも皮肉としか言いようがない。
一夜にしてヒーロー、ヒロインが生まれ、それが一夜にして悪役にもなる。 正義の味方だと思っていた人物がが、実は悪の権化だった、というようなシナリオは分かりやすくて面白い。 だが、ことは政治についてである。 最近の劇場民主主義には、非常に危惧を覚える。 かつての古代ローマがそうであったように、国民が「パンと見せ物」だけを求めるようになっては、民主主義は立ちゆかない。 政治家に責任が求められるのと同時に、国民にも責任が求められるのである。 そして、劇場民主主義を“演出”しているマスコミに対しても、厳格な目を向ける必要があるのではないだろうか。
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