ビギナーズ・ラックでつながった「エリザベート」当日券電話。観に行ってよかった。立ち見だけど、面白くて全然疲れを感じなかった!ゆかどんの宝塚一押し演目です。最近冷め気味だったものの、あらためて「宝塚ってすごい」と思った。
まず、難しそうな曲ばかりなのに、(少なくとも中心の皆さんは)非常に歌がうまい。トート役春野さん、あれだけ歌いまくって声が崩れず、男役ってほんとに男より男らしいかも、というぐらい力強かった。歌だけでなく、身のこなしや表情のふてぶてしさ(特に眼力の鋭さに惚れ惚れ。普段はあんな細い目なのに)、「帝王」トートにぴったり。トップお披露目とは思えない貫禄だ。ルキーニ・瀬奈さん、あまりの男臭さに「この人ほんとに女?!」と思ってしまった。エリザベート・大鳥れいも見事な歌声で(貫禄あるので少女時代はやや違和感あったが)、「私だけに」など鳥肌ものだった。曲も美しいしね。視覚的には、当たり役と言われる花總まりに劣るけど、このプリマドンナ振りに大鳥さんの方が王妃らしい、と思った。もう辞めちゃうのね。また歌のうまい人が減ってしまう。夫フランツ役・樹里さんの王子さまぶりにびっくり。ナイス若作り。フランツの母役の人は、男役なのに女声(?)を違和感なく出していた。みんなうまいじゃん。う〜ん、やはり「歌」劇は歌がうまくなきゃ。
何よりすごいのは、歌がうまいだけじゃない、踊りもついてるんだからね。なまじな歌手じゃ息切れて歌えないって(笑)。逆に歌いながら動きが鈍くなったり。軽々とやってのける所に、宝塚の底力を感じた。
作品自体もよかった。音楽の素晴らしさは一聴に値する(少なくともロマン派OKの人なら)。さすがオペレッタの国の人だわ(本作はオーストリア作品で実はドイツ語。翻訳ものにありがちな歌詞の不自然さがないのも、宝塚裏方の底力を感じる)。と言っても決してきれいな曲ばかりでなく、ロック調の「最後のダンス」(かっこい〜い!惚れた)、ベースの利いた「キッチュ!」など今風の歌もあるので、変化に富んでいて退屈しない。カフェのシーンの合唱がハンガリーの民族音楽風なのは、ウィーンオペレッタの影響かな。ツボにはまる歌が多く、帰りは頭の中が、愛と死の輪舞〜♪でした...
ちょっと宝塚としては異質な感じの陰影ある舞台もよかった(MARICE MIZERっぽい)原色〜、フリル〜、キラキラ〜な宝塚をイメージしている人は驚くだろう。特に最初の煉獄(そもそもこの語彙からしてマリス的)の裁判、結婚式の舞踏会、「闇が広がる」、ルドルフの死ぬシーンなど黒天使の出てくるシーン。「黒天使」という役名もなあ...インディーズのヴィジュアル系バンドにいそう(苦笑)。
そういやトート、黒天使の衣装もヴィジュアル系(長髪なとこからして...)。音楽もどことなくマリスの世界なのよね。「闇が広がる」なんて、Gackt(辞めちゃったけど)が歌ったらよさそう。でも、ショーなどでは宝塚らしい華やかさもちゃんとあり、普段の宝塚にない魅力、他の劇団にない魅力両方が味わえるおいしい作品。男女混合でも上演されてるが、皆さん、是非ヅカ版での観劇を!
「エリザベート」で、改めて「宝塚は“明日への活力”」と感じた。女性なのにあれだけ男らしくなれる男役を見てると、女だからできないことなんてないなだなあと思う。なんでもできそうな気分になれる。
ところで、トートってかなりのストーカー...いつの間にかいたり、どこかしらいたり。舞台を観ながら、この役夢輝さんに似合いそう〜!!とずっと考えていた。新人公演で演じたそうなので、キャトルレーヴで新人公演のビデオを探したところ、ダイジェスト版ではあるが発見、早速購入。あーあ、ついにキャトルレーヴで買い物しちゃった。なんだかヅカに関して一線越えちゃった気分。
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