「粋」といふ事 - 2002年08月12日(月) これまでにも少しふれたことがあるが、夜遊びの行動美学は、 「粋(いき)」 という一語に集約させることができる。 この言葉については、多くの文学者、作家が考察を試みているが、僕が考える「粋」とはこういうものだ。 まず、 こだわる。でも、こだわり過ぎない。 追求する。でも深く追いすぎない。 こういう姿勢が大切だと思う。 いい女と知り合う。この上なくいい女だと思う。なんとか自分のものにしたい。 そこでとにかく通いつめる。三日とあげずに通う。 が、なかなか彼女はなびいてくれない。あと一歩のところで、するりと逃げられてしまう。 自分のことを嫌いではないようだ。行くたびに、うれしそうにしてくれる。 が、自分の思うようになってはくれない。 こういう状況になったとしても、決してヤケになってはいけない。 「オトコとオンナの仲は、そんなもの」 と達観し、むしろそういうもどかしい状況を楽しむくらいの「ゆとり」が必要だと思う。 ガキのように、手足をバタバタさせてはいけないってこと。 ところがきょうび、こういう感覚を理解できる、本物の粋人が少ないんだよなあ。 みんなアメリカ軍みたいな「物量戦」しか考えていない。 「毎日行けば落ちる」 みたいな、押し引きなし、かけひきゼロの、恋愛ともいえない恋愛ばっかりで。 「カネを使えば落とせる」 というのは、もっとも「粋」とは対極にある、「野暮」な考え方であるのに。 これは、かんたんにそういう「物量戦」に屈してしまう、女性の側にも、問題ありだな。 要するに、オトコもオンナも、粋じゃないのだよ、今は。 「アメリカ式恋愛」が、いかに野暮ったいか、誰か、すぐれた恋愛小説で示してほしいもんだ。 女優コマシで有名な、T・Hあたりの、幼稚な恋愛小説じゃなくってさ(笑)。 ...
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