酒場に通う理由 - 2002年08月09日(金) またも同僚のK君と、新宿歌舞伎町の例のキャバクラへ行ってきた。 彼は2回目、僕は3回目ということになる。 今回はたまたまふたりの都合がついた日が、僕に一・ニ回目でついた女のコたちが休みの日だった。 たまたまだよ、ホント(笑)。 別に浮気(っていうのも変か)するつもりはないっす。 次回はまた出勤日に行くつもり。 で、今回は指名せず、フリーで飲むことにする。 最初にそれぞれについたのは、20才をちょっとすぎたばかりって感じの若いコたち。 ま、ルックス的にはとびきりってレベルじゃないが、合格点レベル。 僕についたのは、本業は美容関係という、スリムなAちゃん。 まずは、あたりさわりのない、好物の話とかファッションの話をする。 そのうち、フリーのときのお決まりとして、女のコが代わる。 僕についたのは、いかにもオボコい感じの、「今日が初出勤なんですぅ」というOちゃん。 今回のふたりは、悪くはないが、会話のかみ合い方がいまひとつ。 僕はどちらかといえば、見てくれ以上に会話を重視するほうなので、今後彼女たちを指名することはないだろう、そう思った。 ところで、K君のほうに最初のコに代わってついたのは、お店ではナンバーツーらしいNちゃん。 このコが妙に色っぽいんだわな。 お店のHPの写真ではアップにしていた豊かな黒髪を、その夜はおろしてロングにしていた。 これがなんともなまめかしい。 やや焦点の合っていない、近視に間違いない目つきがまた色っぽい。まるで、若い頃の松坂慶子のよう。 「お、K君、ラッキーじゃん!」 と傍で思いながら彼らを観察していると、ところがK君、いつもと会話のペースが全然変わらない。 彼女の色香にまったく惑わされる風はなく、たんたんとした女子高の先生みたいな語り口で、どうでもいいような世間話をしている。 「はあー」 内心、僕は感心してしまった。 ふつう、Nちゃんくらい色っぽい女性がきたら、それまで若いコと気合いの入らないダラーッとした会話をしていたとしても、途端に緊張して、話しぶりが変わるもんだが。 ま、その理由はよくわかっている。 彼は、一日中、何十人もの女性と恒常的に過ごす、そういう生活をしているのだ。 まず家庭では、奥さん、そして思春期の娘さんふたりに囲まれている。 会社に行くと、彼が管理職をやっている職場は、約30人中、9割は20代から30代の女性。 仕事上付き合いのあるフリーのスタッフも、大半が女性。 一日のほとんどは、そういった女性たちの、とりとめもないお願いごとやグチをきいて過ごしているわけだ。 そんな環境にいれば、若い女性は珍しいものでもなんでもない。 だから、その調子で、酒場に行ってもたんたんとした感じで話してしまうのだろう。 が、なんとなく、もったいない気もする。 それだけ女性だらけの環境にいながら、夜は夜で、高い金を払って女性のいる酒場に飲みに行く理由はなんなのか? 彼にお店を出た後、聞いてみたが、 「さあ、それは永遠のナゾかもしれん。その答えを探すために、オレたちは夜な夜な酒場へと出かけるのかもな」 という、哲学的な(!?)回答があった。 たしかに、理由がはっきりわかっていたら、酒場なんか通うわけないって気もする。 「酒を呑むことが恥ずかしいから、酒を呑まないではいられない」 と言った、「星の王子さま」に登場する「呑み助」のように、僕らは今後も答えの出ない思索の旅を続けるのだろう。 ...
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