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■栃木ドキドキインタビュー
2008年07月16日(水)
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ぱたぱたぱた…と配達夫が掛けて来る音がする。

「しんぶ〜ん」

と新聞が窓ガラスを突き破って侵入してくるのは恐怖新聞だが、

「あなた、ビデオテープが届いたよ」

うちに届いたのは1本のビデオテープであった。

「いやだ、見たくない」

僕は嫁から受け取ることを拒否した。決して貞子ビデオなわけではない。ましてやわいせつなビデオでもない。これは僕らのインタビューが録画されたビデオなのである。

先日栃木の実家に帰った時、公園で遊んでいたら地元のケーブルテレビからインタビューを受けた、という話を書いた。それがあっさりオンエアされたらしい。実家ではケーブルを引いていないので見れないが、

「うちケーブルテレビ見れないから録画しててくれっけ?」

と予め母がわざわざご近所さんに頼んでおり、

「さとーさんが撮ってくれたから送っからな!」

と僕らに送り付けて来た、という訳である。他の人はどうか分からないが、僕は自分の映像を見るのは大嫌いである。自分の声が嫌い。動く姿が嫌い。だからこのビデオは見たくない。

「私も自分の姿を見るのはやだなあ」

嫁も見ることを躊躇し、結局そのテープはテレビの前に放置された。ところが…

「これなんでおいてあるの?これなんのびでおなの?」

早速目を付けたのが娘・R(4才)である。

「これは前テレビ屋さんが来た時のビデオで…」

と説明すると

「見る!見る!見る!」

息子・タク(2才)と一緒に大合唱。僕らと違いRとタクは自分の映像を見るのが大好き。しょっちゅう写真やビデオを見せろとうるさいのである。

「わかったわかった。じゃあ見ような…」

子供達に押し切られて見ることを決意した。ビデオをセットし、緊張しながら再生すると、どこかで見たことがあるオタク面の男が出て来た。もちろん僕である。

「ギャアアア!」

とっとと早送りした。その時着ていた

ちくわぶ
このようなTシャツがそのまんま映っていた。普通こういうのってカットしないのだろうか。地方ケーブルテレビの大らかさに負けた。

次に映っていたのは嫁がニヤけて答えている映像。脇にタクがへばり付いていた。そして最後に母とR。母がなんか答えている時にRが

「おばあちゃーん。なにしてるの?」

と駈け寄って来、

「ほらほら、テレビだよテレビ!」

と言っているところがそのまま映っていた。なんでそんなとこカットしないでそのまま流しているのだろうか…。結局一族総出で映っていた。貞子が出るビデオより恐ろしい内容であった。

もちろん僕らの他にもたくさんの人が映っていたが、母も含めておしなべて皆栃木弁で喋っており、ほのぼのしたものであった。おらが村のインタビューという感じがする。

裏ビデオはたくさん持っているが、それにちなみ、このテープは
オラビデオと呼ぶことにする。

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