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←こちら息子・タク(2才)の興味深い話を嫁から聞いた。
タクと娘・R(4才)がよく遊んでいる公園仲間で、お姉ちゃんはRと同じ幼稚園のクラス、弟もタクと同じ2才の姉弟がいる。その弟君の名前をジロー君としよう。
ジロー君は姉の年も自分の年も同じことからか、タクをライバル視しているらしい。公園で一緒に遊んでいると、何かとタクに手を上げて挑発するのだそうだ。うちの子はRもそうだがオフェンスディフェンス共からきしダメなので、
「うわーん」
とやられっ放しなのが常なのだが、この日は違った。持っていたタオルでジロー君を引っぱたき返したのである。タクの反撃など思ってもみなかったジロー君は驚いてダダーッと逃げ、ちょっと距離を置いてから振り向いて
「ばーか!」
と叫んでまた逃げたのだそうだ。その捨て台詞を受けたタクは
「まちなさい!」
と大見得を切って追いかけたものだから、遠巻きに見ていたママさん達は大爆笑。僕もその場にいたら大笑いしたであろう。何がおかしいってそらアータ、

悪者に追われ、隠れて怯える女の子。

悪者の忍び寄る影「おやおやー?どこ行ったのかなー?」

悪者「ここかなー?」

プリキュア「待ちなさい!」
その言い回しがプリキュアそのまんまだから。タクのみならず子供達はみんなプリキュア大好き。すなわちママさん達も当然見ているので、
「たっくんのアレ、絶対プリキュア入ってるよ」
僕と同じようにピンときて笑っていたのである。
ところが笑っているママさん達をよそに、ふたりの争いを止めようとする者が現われた。それはRの同級生・みっちゃん。
「ふたりとも、なかよくしようよ」
彼女は立派にタクとジロー君の仲裁に入ったのだった。そんな正義感溢れる少女にタクはどう反応したかというと、
A.「はーい」と返事をする。
B.「ごめんなさい」と謝る。
C.「やだよー」と突っぱねる。
正解は…
D.甘える。
「みっちゃ〜ん」
と抱きついて頬をスリスリしたのである。僕もみっちゃんのことは知っているが、彼女の性格上そういうことをされたらブチ切れるはず…思ったのだがさにあらず、みっちゃんもみっちゃんで
「はい、よしよし」
とタクをあやしていたのだという。
「なにその年上キラーっぷり。恐れ入ったわ」
ここまでの話を聞いて僕は唸ってしまった。
「私も『なにその愛され上手』って思ったよ」
僕や嫁に叱られた後、「パパー、ママー」と甘えてくるのと同じ手口だ。タク、おそろしい子!2才の息子とはいえ、僕も学ぶべきことはあるようだ、と早速寝る時に
「嫁〜」
と頬をスリスリしてみたが
「あなたは可愛くない」
軽くあしらわれてしまった。タクの愛され上手をマスターしさえすればもう少し夜のまぐわいも増えるであろうに。
話し上手は聞き上手。
愛され上手は床上手。なんつて。
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