娘・R(4才)の会話には、時々謎の人物が登場する。
ちーたくん
はもいちゃん
学校のびーちゃん
いずれも不思議な語感がある国籍不明の名前。結論から言うと実在しない人物である。彼らはRの想像の中でのみ生きている。
「今日ねえ、でぃずにーらんどでちーたくんと一緒に遊んだの」
(ホントはそんなとこ行ってない)
「はもいちゃんにプリキュアのふでばこもらったの」
(実際にあげたのは僕の母)
おそらくそういうストーリーがRの頭の中で繰り広げられているのだろう。よく嬉々として僕に物語ってくれる。まだ夢と現実の境界が曖昧なお年頃。可愛いメルヘンである。僕もあんなこといいな、できたらいいな、と妄想するが
「しょこたんとドエロなことしちゃったぐへへ」
とか妄想と現実の区別がつかないまま喋ったとしたら直ちにイエローピーポーを呼ばれてしまうだろう。
面白いことに上記の3人は同時に出現しない。Rが2才の頃から言い始めたのが「ちーたくん」で、3才ぐらいから「ちーたくん」に代わるように出てきたのが「はもいちゃん」、そして現在は「学校のびーちゃん」なのである。何故かは知らぬが空想友人はひとりずつらしい。
「今日学校のびーちゃんがねえ…」
今日もまたRの話の中にでメルヘンフレンドが登場したので、
「最近ちーたくんとはもいちゃんが出てこないじゃない。ふたりはどうしたの?」
と聞いてみると
「…だれそれ」
ガビーン。Rはすっかり忘れてしまったらしい。例えば眠っている時に見ていた夢は、目が覚めるとすごい勢いで忘れてしまうが、妄想も醒めると思いっきり忘れてしまうのだろうか。
常々ちーたくんとはもいちゃんは一体どのような人物(の設定)なのかRに聞いてみたいと思っていたのに、当の妄想主が忘れてしまっては最早ダメである。かくなる上は現在妄想中の学校のびーちゃんについて聞くしかあるまい。
「ねえRちゃん、学校のびーちゃんってどこに住んでるの?」
「学校だよ」
花子さんか。
「Rちゃんのお友達なんだよね?」
「うん」
「何才?」
「えっとねー。にじゅうきゅうさい」
「い、意外とアダルトなんだねえ…」
色々ツッコミたいことはあるが、乙女のメルヘンを壊すのはヤボなのでやめておこう。そして僕は僕自身のメルヘンを探すのであった。
「なあ嫁、メルヘン、ヤラヘン?」
「シマヘン」
〜完〜
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