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■恐怖のR.S.V.P.
2008年02月22日(金)
今日は子供達が寝る前に帰ることが出来た。

「ぱぱ〜」

「おお我が子達よ」

駆け寄る娘・R(4才)と息子・タク(2才)をガッチリと抱く。その感動の再会を

「実はRちゃん怒ってるのよ」

駆け寄らない嫁が不穏なことを言って水を差した。ぶっかけたろか。

「なんで怒ってるの」

「あなたがRちゃんにお手紙書いてあげないから」

ええええええ。

「Rちゃん、そうなのか?」

「うん。Rちゃんおてがみ書いたのにパパおへんじくれないから…」

「お手紙って…どんなお手紙だったっけ?」

黒ヤギさんか僕は。

「きょうあげたでしょ!」

「…ひょっとして朝くれた絵のことかナ?」

「そうよ」

ありゃ手紙じゃねえ、ラクガキだ、字などビタイチ書かれてねえ!と言いたくなるのをぐっと押さえ

「ごめんなー。じゃあお返事書くからなー」

「おてがみくれないといっしょにねてあげない」

そんなご無体な。何日か前の日記にも書いたRの手紙ブーム。あれは一過性のものではなかった。ただ催促されたものの時は既に夜深し。いつまでもじゃれ合って寝る時間が遅くなると嫁の雷が落ちるのは確実なので

「今日はとりあえず寝なさい。朝までに書いてあげるから」

としようとしたが…やはり考え直した。夜中煮詰まって書く手紙ほど恐ろしいものはない。テンションが勝手に高まり、

「僕たち、ずっとずっと一緒だよって誓い合ったよね。
 抱き合ったあの時、君の儚いぬくもりを感じていたよ。
 だけど、ひとりで過ごす夜はいつもいつも寂しくなってしまうよ。
 だから君の寝顔をそっと眺めてしまうんだよね。
 つるつるのほっぺたを、つい撫でてしまうよ。
 君の人生という旅路は、まだ始まったばかりなんだからね」

えてしてこのような浜崎あゆみが乗り移ったとしか思えないような文章を書いてしまうものである。翌朝見直した時の恥ずかしさは、崖から竹馬でダイビングしたくなるほどの破壊力である。だからささっと今書いてしまおう。

「じゃ、ちょっと待っててね」

急いでペンを走らせると

「Rちゃんもみっちゃん(幼稚園の子)におてがみ書くー」

Rも僕の横で手紙を書き始めた。Rの友達のみっちゃん。キッチリカッチリ真面目な子だが、その分ちょっとキツいところがある。タクなどよく怒られている。そんな子である。

なるほど幼稚園で流行ってるからこんなに熱心なのかな…とRの手紙を覗いてみると

「みっちゃんへ。あんまりおこらないでね」

と書かれてあった。親として書き直させたほうがいいのだろうか、とちょっと脂汗が出た。

「ほら、書いたよ」

夕飯は何を食べたの、だのそんな他愛のないことを書いて渡してやると

「きよーうーのーごーはーんーはーなーにーをーたーべーたーかーな」

ひと文字ひと文字をなぞるように読むRと

「ゆめはらのぞみはちゅうがくにねんせい。さんくるみえーるがくえんにかよっています」

朗読するRを真似たいのだが、字が読めないので暗記しているプリキュアの絵本本文を勝手に読み上げるタク。読み終わった後、Rは手紙を枕元に置き

「じゃあパパとねる〜」

僕はようやく一緒に寝られたのであった。しかしこれはたとえ絵のラクガキでも返事を出さなければならないという掟が生まれた瞬間でもあった。ラクガキでも…返事…。

ま、ワルガキよりはいいか。

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