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■父のモーニングコール8:00AM。
2005年12月10日(土)
朝、会社に行く時には娘・R(2才)に「ぱぱ、ばいばい」と
手を振って見送られたい。

しかしこのところRの起きる時間が遅いのである。放っておくと、
僕が家を出る時間まで寝ている。これでは見送ってもらえない。
ああ我が家の眠り姫よ。寝る子は育つとはよく言うが、起きる
父は巣立つのだぞ。夜帰ってくるけど。

そうなれば王子様のキスで起こすのが王道である。ちなみに結石が
落ちてくるのは尿道である。え、誰が王子様だって?僕である。
三十路を過ぎたからといって王子を名乗って悪いわけがない。千代
田区にお住まいの我が国のやんごとなきお家の王子様は皆僕より
年上だ。問題ない。

しかしRはうつ伏せで寝ており、キスをすることが出来なかった…。
意外とガードが固い娘。こうなれば後は揺さぶるしかない。

「Rちゃん、起きてー。朝ですよー」

父による優しいモーニングコール。背中をちょいちょいとさすって
起こしてみた。するとRはモソモソと反応を見せたが

「ごめんなしゃい!」

僕の手を振り払ってまた寝てしまった。いきなりゴメンナサイ
とは、告白してないのにフラれた気分である。ああ、中学の頃
告白したナオミちゃんにも同じこと言われたっけ…今何してる
かな…。

などと郷愁モードに入ってしまったが、もう会社に行かないと
ヤバイ時間であった。えーと、何してたんだっけ。おおそうじゃ、
Rを起こさないと。

「Rちゃん、起きてください」

もう一度Rを起こすと、今度はRはむっくり起き上がった…と
思ったのも束の間、

「おやすみんしゃい」

ピョコンとお辞儀をしてまた寝てしまった。もう朝だっつの!
息子・タク(2ヶ月)はとっくに起きてホゲホゲ言ってるのに。
いよいよ時間がなくなった僕は、Rの見送りを諦めて

「じゃあね子供たちよ。ばいばい」

声だけ掛けて家を出ることにした。すると、寝ているRがうつ伏せ
のまま手だけヒラヒラと振っているではないか。眠いなりに必死に
見送ってくれてるんだね。偉いぞ。一方では単なる寝ぼ助ではない
のか…とも思ったが僕はそれでよしとした。

こうして僕は辛うじてRのお手振りによる見送りだけはしてもらい、
労働意欲に燃えて仕事に行くのであった。

父のバーニングコールというお話でありんした。







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今日もアリガトウゴザイマシタ。

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