娘・R(2才)はバナナが大好きになった。毎朝
「ばななー。ばななー。食べうー」
とおねだりするので1本を半分に切って皮をむいてやると
もぐもぐと食べる。サチコという名の幼女を歌った童謡
そのままである。そのせいだろうか。
夜、Rを風呂に入れんがためパンツを脱いだ途端
「あ、ばなな!ばなな!」
僕の伝家の宝刀をバナナ呼ばわりするようになってしまった。
なんということだ。2才にしてもう性教育のファーストステージに
立たなければならぬのか。まだ心の準備ができていなかった僕。
「危ないからさわっちゃいけません!」
思わず悲鳴をあげた後
「いやその…これはバナナじゃなくてお前を作った種イモで…。
ほら、これはバナナと違って最初から皮がむけてるだろう!」
と必死に弁明したらそれを聞いていた嫁の顔が曇った。
「タク(生まれたての息子)もちゃんとむけるかなあ…」
なんと、もうそんな心配をしているのか。
「いやー。僕譲りの遺伝で大丈夫じゃない?」
しかしそれはいらぬ世話というものだ。タクのそれがむけるか
むけないかの頃には嫁は預かり知らずになっているはずである。
まさか毎日チェックするわけなかろう。
その後僕の母がタクのおむつを交換している時に
「あらー。タクのはお前の小さい時そっくり」
と言うのを聞いて軽く不能になった。
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