logo
FONTを元に戻す FONTサイズ固定解除

■はなぞの公園は、なぞの公園/お腹の子の性別を聞いてやろうと決意する。
2005年07月31日(日)
■はなぞの公園は、なぞの公園。

土日を嫁の実家で過ごしている。

嫁の実家は高尾。東京都の西のドン詰まりで霊山・高尾山を
配し、周囲は霊園がわんさか点在しており休日や彼岸になると
墓参り渋滞が発生する、あの世とこの世を結ぶ街である。

改築した嫁の実家では未整理のモノで溢れ返っており、嫁は
それを片付けるために部屋に籠っていた。その間僕は娘・R
(もうすぐ2才)を連れて公園に遊びに出かけた。

嫁実家から最寄の公園までは距離があり、昼なお暗い鬱蒼とした
森やゴレンジャーが敵と戦ってそうな採掘現場の横を通らなければ
ならない。なんとなくおどろおどろしい道である。いつもなら張り
切って歩くRも、この道に限っては

「だっこ…」

と両手を広げて歩くのを拒否したので、ヒイヒイRを抱いて公園に
辿り着いた。

「はなぞの公園」

入り口にはそう書いてあったが、季節が悪かったのかネコジャラシと
雑草しかない公園であった。

「ほら、ネコジャラシだよーん」

Rにネコジャラシを1本与えると、Rはそれで僕の顔をぺしぺしと叩く。
ああ、こそばゆい!ネコジャラシのジャラシプレイ!齢1才にして
こんな妙技を体得しているとは。R…おそろしい子!

嫁には内緒の、父娘の秘めやかなプレイで盛り上がっていたら

「如是我聞一時佛在舍衞國祇樹給孤獨園與大比丘衆…」

どこからかお経が聞こえてきて鳥肌が立った。さすがあの世とこの世を
結ぶ街。どこで誰が唱えているのだろうか。Rはいつの間にか木製の椅子に
積み上げられた小石で遊んでいるし、まるで賽の河原に来たような雰囲気。

「はい!」

Rは小石のひとつを僕に差し出した。ひとつ積んでは父の為…か。

「なんか怖いからそろそろ帰ろう」

お経が続く中でどんどんダークな気持ちになり、退散することにした。
Rは帰り道でも歩くのを拒否。Rなりにおどろおどろしさを感じているの
だろうか。再びRを抱いて森の中を歩く。ここで稲川順二や織田無道や
細木数子などが森の中から飛び出してきたら僕も本気で泣く。それだけ
心細かった。

家に帰って義母に聞いたところ

「ああ、近くに葬儀場があるのよ」

とのことで…幽霊の正体見たり枯れ尾花。しかしそのような施設が
すぐ近くにあるあたり、さすが高尾である。

あの世とこの世を結ぶ街。

僕と嫁にとっては独身時代に

あんな夜やこんな夜に結ばれた街でもある。
日記才人投票ボタン。投票のお礼に一言飛び出ます。初回だけ登録が必要です。↑


エンピツ投票。こっちもヨロシク。

■お腹の子の性別を聞いてやろうと決意する。

1ヵ月ぶりの産婦人科の定期健診を前に、嫁と話していた。

「トロ(お腹の子の仮名)の性別、分からないかなあ」

「産婦人科の先生、無口なんだよね。健康、順調、ぐらいしか
 言わないしさ」

「あなた、聞いてみてよ」

「うーん」

という訳で今回は絶対性別を聞き出してやる、という並々ならぬ
決意を秘め産婦人科に向かった。その足で嫁の実家に向かうので
ちょっとした長旅でもある。

1時間待たされて診察室に入ると、産婦人科医はTシャツ姿で、看護婦の
おばさんもアロハみたいな派手なシャツを着ており、一瞬ポリネシア
辺りのウィッチドクターの家に迷い込んだかと思った。なんかゆるゆる
な雰囲気。

「はい…」

相変わらず無口な先生が嫁に診察台に寝るよう促し、僕は娘・R(もうすぐ
2才)と後ろから見守る。しかし映し出されたお腹の子のエコー画面より
先生のTシャツのプリントが気になってしょうがなかった。

photo

「日本ルイ・アームストロング協会」って…面白過ぎる。
ぷぷぷ…笑いをこらえるのに必死でいると、嫁が

「あのー。性別って分かるんですか」

と聞いたので我に返った。しまった。聞くの忘れてた。しかし先生は

「…分かる時もあれば分からない事もある」

そういうことを聞いてんじゃねえ!お前は即答をはぐらかす政治家か!
しかしその一言で僕らは腰砕けになってしまった。

結局診断はものの5分で終わり、無口な先生はどこまでも無口で、嫁への
回答と「うー」とか「ふーむ」とかの唸り声も含め、5語ぐらいしか
発してなかったと思う。

産婦人科医との問答勝負に敗れた僕らは、トボトボと病院を出た。

「何も言われなかったけど、異常なしってことでいいんだよね?」

「じゃないの?でも今度の診察は来月だし、もう出産直前まで性別
 分からないよ…」

そうこぼし合って今度は嫁の実家に向かう。

「手ぶらで行くのもなんだから、スイカでも買っていこう」

スーパーに入ってスイカを一個所望。

「うををを!重い!重過ぎる!スイカってこんなに重かったっけ?」

リュックに入れてから思いっきり後悔した。スイカの重さが腰に響き、
またしても腰砕けに。

スイカのせいで腰をやられる。

これをスイカん板ヘルニアといいます。

日記才人投票ボタン。投票のお礼に一言飛び出ます。初回だけ登録が必要です。↑


エンピツ投票。こっちもヨロシク。

http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=81711&pg=20050731
今日もアリガトウゴザイマシタ。

←前もくじ次→
All Rights Reserved.Copyright(C)
エキスパートモード 2000-2005
梶林(Kajilin) banner

My追加