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■セーラー服を脱がせないで。
2005年02月18日(金)
数日前、WEB繋がりのお友達の現役女子高生で、その名も

「セーラー服を脱がせないで」http://sailor.gozaru.jp/index.htm

というサイトを持つ有紀さんと和葉さんから、バレンタイン
チョコレートを送ってくれると連絡があった。やれ嬉しや。

しかし嫁には慎重に承諾を得なければならなかった。
これをうまくやらねば僕とチョコは血で染まることになる。

「あの…嫁様…明後日ぐらいに女の子からチョコの小包が
 届くと思うんだけど、受け取っておいて頂けないでしょうか」

「ふーん…(3秒ぐらいの間)…別にいいけど」

理解ある嫁で良かった…。ふううううっと溜息が出た。
これで肩の荷が下りた。あとは届くのを楽しみに待てばよい、
と安心しきってたところへ

「で、そのチョコはどういう意味を持ったチョコなの?」

背後から鋭い嫁の一刺しが。刑事コロンボみたいな嫌な突っ込みである。
舞い上がりまくっていた僕はつい

「んー?僕を愛しちゃってます、みたいなチョコ」

愚かな嘘を口走ってしまったところ

「ハア?何よそれ?」

嫁の体から凍てつく波動がゴバアアと噴き出してきたので、
このままでは殺されると判断した僕は

「じょ、冗談だってば。この女の子たちのサイトで
 チョコくれるっていうイベントがあって、それに応募したら
 クジ引きで当たった。それだけなんだよ…」

正直に述べてようやく事なきを得たのであった。

そして今日、届いた。箱の中には有紀さんと和葉さんの
気合の入った贈り物の数々が詰め込まれていた。

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女子高生手作りチョコの神々しさの前には、どんな高級チョコも
馬糞のような物に過ぎない。クッキーもあった。

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女の子らしく梱包も可愛い。絵も驚くほど上手。
梱包が上手なコンポーザー。なんつってうひゃひゃ。

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しかもラブレター入り。

そう、有紀さんと和葉さんは、僕を「憧れの学校の先輩」と
仮定した恋文も書いてくれたのである。

『ずっと貴方のことが好きでした。
 どうかこれからも、その素敵な笑顔を
 忘れないでいて下さい』(有紀さん)

『2月14日はバレンタインデーです。
 恋する乙女が大好きな人に告白する日です。
 なので私の想いもかじりん先パイへ届いてくれると
 すごくうれしいです。それではまた学校で…』(和葉さん)

おおおお。この子達、ノリノリだよー!

三十路おやじにはもったいなさ過ぎるプレゼント。
純粋でラビングユーな乙女手紙に胸が熱くなってしまった。
僕も十数年前に遡り、詰襟を着て放課後の教室の机でひとり
読んでいるような錯覚を覚え…ホントに会社なんか行かず
学校行きてー!

興奮収まりきらず、早速お菓子をいただく。うむ…固い。
固くてうまい。大人になる直前の、花に例えるならば
花開く寸前の蕾のような固さと甘さを感じさせる。
これぞ乙女の味。オトメチックルネッサンス。

いつの間にか嫁が物欲しげな視線をこちらに向けていた。

「いいなあ…おいしそうだなあ…食べたいなあ…」

断れるはずがなかった。

こうして深夜にモゴモゴと2人で女子高生菓子を
貪った我ら夫婦。しかし手紙だけは嫁に見せられ
なかった。何故ならば…

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イマドキの女の子はすげえなあ…。


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