会社の健康診断だったが
僕はおそらくここ1ヵ月以上休んでない。
…健康もくそもあるかっ。
本当はこれだってぶっちぎりたかったのである。
山のようにある仕事を少しでも片付けたい。
しかし健康診断に行かないとなると、
会社に「理由書」を書かなければならず、
書類1通作成+ハンコ巡りツアーの仕事を
更に増やす羽目になる。行くも地獄行かぬも地獄。
あほな会社…。
理由なんて「忙しいから」これだけなのに。
結局死ぬ思いで朝一番に時間を作って行って来た。
そしてそのまま仕事仕事で深夜残業突入。
ふと気付くとオフィスには僕の他に同僚の女の子が
ひとりだけが残っており、その子は上目遣いで
僕のほうをモジモジチラチラ見ている。
「ん?どうしたの?」
「ええと、あのー。いやー」
彼女は顔を赤らめて口を濁す。
今、この場所には僕と彼女ふたりきり。
まさか…ネクタイをずり下げてシャツのボタンを外した
僕の胸元から見える鎖骨に男の色気を感じてしまい
「もう誰もいませんからただの男の女に
なりましょう!」
なんて襲い掛かって来たらどうしよー!と思ったら
彼女はやっと口を開いた。
「実は私、そろそろ帰りたいんですけど
かじりんさんひとりオフィスに残されて
大丈夫かなあって」
「ぼ、僕子供じゃないもん!」
男じゃなくて子供に見られてたのかい!
この娘っ子ー!ぷんすか。
「いえ、そうじゃなくて、だいぶ疲れてるみたいですから
誰もいないオフィスで倒れられたりしたら…と思って…」
どうやら男でもなく子供でもなく、ただの過労死寸前の
ボロ雑巾に見られていたようだ。
「そこまで心配しなくてもいいよ…」
「いいえ!それにですね、明日と明後日は土日で休みですから
月曜の朝みんなが出てきて発見された時には
もうほどよく腐乱して…」
「そこまでひどいこと言わなくてもいいじゃないかー!」
僕はもうこれ以上仕事する気力がなくなり、
トボトボと家に帰ったのであった。
そんなにひどく疲れている風に映るのだろうか…。
もし腐乱しちゃったら会社は「理由書」を
書いてくれるのかなあ。
パトラッシュ、もう疲れたよ…。
腐乱会社の犬。
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